台南の慈済ソーシャルワーカーは、安全な住まい改善プログラムを進め、新営区にいる年長者に母の日のプレゼントを届けた。(撮影・温宝琴)
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慈済ソーシャルワーカーは、通常数十人の訪問ケアボランティアと協力して訪問ケアを行います。一人ひとりのボランティアは幾つかの背景が異なるケア世帯を受け持っていますから、ソーシャルワーカーの仕事量は多く、責任も重いと言えます」。かつて慈済大学社会福祉学部で主任を務めていた頼月蜜(ライ・ユエミー)教授は、慈済のソーシャルワーカーの仕事は簡単ではないと言う。
「慈済ソーシャルワーカーは、職業と志業を兼ねた精神を有していると私は思います。專門知識の他に、奉仕精神も持っています」と、二十年余りの訪問ケア経験を持つ慈済ボランティアの林素娟(リン・スゥージュエン)さんが説明した。
この五十八年間、慈済の慈善志業は、時代の趨勢と社会の変化に伴って、その社会的責任は益々重くなっている。專門のソーシャルワーカーは、慈善志業の制度化及び專業化の転換期において重要な役割を果たしている。ボランティアと訪問に同行するだけでなく、支援の評価において話し合いからその後のことを進め、ケアプロジェクトを作成して、ボランティアと一緒に協力して推進している。
ここ数年よく慈済ボランティアの講座に要請されている頼教授の考察によると、慈済は益々ボランティアトレ―ニングを重視するようになって、国際的な資格取得の流れに合わせており、ソーシャルワーカーの参加する割合は益々高くなっている。
一般の福祉団体とは異なり、慈済ではソーシャルワーカーはボランティアと緊密に協力し合っているが、彼らが全てを指揮している訳ではない。このようなパタ―ンは、一般と異なるとは言え、優れた点もあり、訪問経験を積み重ねている途中のソーシャルワーカーは、人生経験豊かなボランティアと共に行動することで、プラスの効果を生み出している、と頼教授は考えている。この過程で、若いソーシャルワーカーが、ボランティアの人助けをしたいという善の心と善良な考えを目の当たりにし、ボランティアの訪問経験を自分の知識に取り入れるべきである。また、自信を持って、学校でトレ―ニングして来たことをボランティアと分かちあう必要もある。
林さんは、社会福祉に関する資源は豊富にあるが、ボランティアが全てを理解しているとは限らないので、場合によっては、ソーシャルワーカーが団体の枠を超えて適切なサポ―トを導入することで、支援する必要があると言った。彼女は、社会が複雑になり、人助けは益々困難を伴うようになってきたが、「助ける側は初心を保つことが大切です。志業であろうと職業であろうと、私たちは自分の善良な気持ちと愛の心で、社会をより良くしなければならないのです」と言った。
社会の暗がりで、ソーシャルワーカーはボランティアと共に黙々と恵まれない人々に手を差し伸べている。今月の『慈済月刊』では彼らの声を特集した。そこから、彼らとボランティアの人助けの様子、そして人助けを通じての学びを読み取ることができる。