菜食しかない・生きとし生けるものを守る

野菜と果物には新鮮さと天然の甘み、豊富な栄養がある。食べ物は人が口にするのだから、健康に直接関係するだけでなく、その影響は実は広範囲に及ぶ。

目の前に広がる世界には、コロナ禍だけでなく、毎回数字を更新する天災など、気候変動がもたらす喫緊の危機が既に出現している。

菜食という選択は、それだけで食生活を健康的にし、衆生に対する比類ない愛を表す。

菜食を広め、勧め、大量に飼育されている家畜を減らし、排出される温室効果ガスの量を減らし、病が口から入るという連鎖にも歯止めをかけよう。

植物は時代を呼び覚ます。だから、菜食しなければならない。

人の心はより優しくなり、大地がきれいになり、空もより澄みわたっていく。

体が変わっていくようだ

全植物性飲食をベースにした「健康チャレンジ21」活動は、六月から高雄、花蓮、嘉義、新竹、新北市、台北市等で続々と始まっている。

高雄のボランティアから弁当を委託製造されたある業者は、慈済人医会栄養士の指導の下に、主食とおかずを弁当箱に詰める前に、栄養バランスを確保するため、一種類ずつ重量を計る。

食材は全て植物由来のもので、乳製品と卵は使わず、焼いたり、炒めたり揚げたりすることもせず、人工調味料を使用しないという原則は、シェフにとって大きなチャレンジであった。だが、参加者の健康指数が改善されるのを目の当たりにすると、知らず知らずのうちに人の役に立っていることが分かり、より一層使命感を持つようになった。

食への理解を深める若者

ソーシャルメディアに慣れ親しんでいる若者世代は、コロナ禍で対面が難しい時期に、ネットを介してつながりの力を発揮する。今では、国内外に少なくとも六つの、慈済ボランティアが開設した菜食を推し広めるプラットフォームがある。

「食レポ・菜食で変わる花蓮」は、三月に第百話を迎え、「一緒にやりたい V can do it」という特別企画を配信した。それは、ある菜食者が非菜食者の友人にヴィーガン料理を食べてもらい、その時の写真をSNSに投稿シェアしたものである。

ヴィーガン料理を中心に、食器類は提供せず、量り売りする「ノーミート」イベントは、長蛇の列ができるほどの反響を呼び、台湾各地で不定期に開催されている。今年二月、初めて花蓮で開催され、「食レポ」チームも現地で取材した。

(慈済月刊六六一期より)

(撮影・羅明道)

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