慈済57周年─朝山礼拝で幸福を祈る

慈済が五十七周年を迎えるに当たり、花蓮静思精舍の前では称号を唱える声が響く。三月中旬から、国内外の慈済ボランティアと会員たちが、数回に分かれて精舍に帰って来た。林道や菩提大道で、精舍の師父の歩調に合わせて、三歩進んで一回礼拜をしながら、「南無本師釈迦牟尼仏」の称号を唱えた。皆、額を地につけて諸仏に敬意を表し、足並みを揃えて精舍本堂の方向に進んだ。

ようやく新型コロナによる規制が解除され、約三年ぶりに再び心の故里に帰って来ることができた。この三年間に、世界では天災や人災が続き、人々は礼拜する時に、「体で礼拝し、恭しく懴悔し、意地を張らず、傲慢にならない」ことを誓い、「心を清め、睦まじく暮らし、世の中に災害が無くなるように」、と敬虔に祈った。静思精舍だけでなく、世界各地の静思堂や連絡所でも慈済の記念日を祝い、この世の衆生の幸福を祈った。

称号を唱える時には、一歩一歩進んで、身も心も道から逸れてはいけない。この菩薩道の行き着く先で、人々の生まれ持った仏性に戻るのである。證厳法師は人々に念を押した。「この一刻を忘れず、仏の本性に戻ってください。皆が心を一つにして足並みを揃えれば、このような規律あるリズム、ステップなどの記憶はいつまでも残るでしょう」。

*朝山礼拝(台湾仏教の参拝の仕方。念仏を唱えながら三歩一拝で本堂まで拝する。

灌仏して心を清める

(撮影・陳忠華)

ブッダの誕生日、母の日、慈済の日という三節一体の日を祝う灌仏会が、今年は五月十四日早朝、花蓮静思堂を皮切りに、国内外の支部で相次いで開催され、世界四十六の国と地域で十四万五千人余りが参加した。台北の中正紀念堂でも同日夕方から三年ぶりに荘厳な式典が行われ、先ず諸派の寺院の長老や法師らが灯り、香湯(身を清める湯)、法の香(花や菩提樹の葉、示現を意味)を献上し、続いて大衆が順序正しく仏足に礼拝して法の香を受け取り、吉祥を祈った。

今年の灌仏会のテ―マは、「仏教の為、衆生の為」と「弘法して衆生を利する」である。会場にはブッダの出生地であるルンビニのマヤ・デヴィ寺院(写真上)とインドの霊鷲山にある説法台の模型が設けられた。中正紀念堂の菩提大道は灌仏台に通じ(写真右)、マヤ・デヴィ寺院の中央運河のようだった。灌仏会を通じて大衆の善の念を結集し、台湾と世界のために幸福を祈ると共に、一般大衆に、仏教の大導師であるブッダの足跡と精神を理解してもらった。(資料の提供・林瑩欣、曾修宜)

(慈済月刊六七九期より)

夜空の下で仏様に出会った

ブッダは六年間苦行した後、菩提樹の下で、夜空に明けの明星を見ながら悟りを開いた。それから二千五百年あまりが経った今、時空を超えた出会いに、大衆は菩提樹の周りで順序正しく仏足に敬虔な心で礼拜する。

(撮影・呂瑞源)

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