世界に目を向ける

フィリピン
大規模施療活動 ダバオで病苦を癒す

文、撮影・慈済フィリピン支部

夜更けになっても、ボランティアはまだ準備に忙しく、教室がそれぞれの診察室の配置になっているかを確かめていた。慈済人医会の医師は電灯を明るくして夜の診察を行い、患者の手術前の状況を確認した。

 慈済フィリピン支部は、七月二十日から三日続けて、ミンダナオ島の大都市ダバオで大規模な施療活動を行い、延べ二千七百五十人に恩恵が行き届いた。ボランティアチームが整った医療機器を運び入れた中華中学校では、歯科、内科、小児科、眼科などの診察が行われ、眼科では検眼をして老眼鏡を贈呈した。また、ラナンにある第一病院を借りて、甲状腺とへルニアの手術を行った。これは、三年間のコロナ禍以来、慈済フィリピン支部として初めて行ったマニラ以外での施療である。

ミャンマー
新学期、新しいカバンで気分が弾む

文・黃露發(慈済ミャンマー連絡所職員)
撮影・陳勇珽(ミャンマー慈済青年)

ミャンマーの慈済ボランティアは、オカン町スエナグウィン村の勉強会の教室で、ケア世帯の子供たちに、背丈に合わせて腰をかがめながら文房具とユニホームを贈った。子供たちは文房具を一つずつカバンに入れると、仮設テントの下で満面の笑顔を見せた。

文房具を除いて、レインコートとカバンだけの就学費用は、約五万五千チャット(約三千円)もするので、数多くの家庭には負担する余裕がなかった。日雇いで生計を立てているドママチュさんには、安定した収入がない。「三人の息子は、全て他の人から文房具をもらっていましたが、今年初めて、カバンと新しい文房具をもらい、とても喜んでいます」。五月から六月にかけてはまだ始業前だったが、子供たちは皆待ち遠しそうに、新しい制服を着たり、新しい靴を履いたりして、学校に行く道をより遠くへ歩けるようにと、期待に胸を膨らませていた。

グアテマラ
土砂災害で避難 新しいかまど

文、撮影・吳慈恬(慈済グアテマラのボランティア)

グアテマラ・アマティトラン市キソコミル村は、七月中旬に、連日の豪雨によって土石流が発生し、湖が増水したため、住民は急いで避難し、家に帰ることができなかった。慈済ボランティアは七月十三日、土石流が起きた地域で視察を行った。ガスコンロ、ガスボンベ、福慧べッド、毛布、即席麺などを緊急に購入すると、七月十八日に見舞い金を添えて、被災した四十四世帯に贈呈した。

 住民は今でも、災害を思い出すと震えてしまうそうだ。深夜に泥流が家に流れ込んだので、ボートに乘って避難して、市街地に仮住まいしている。とりあえず慈済から届けられた物質で生活し、それからどうやって家屋を再建するかを考える。

(慈済月刊六八二期より)

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