二千五百年前に始まった物語

インドのブッダガヤにある世界遺産のマハーボディ寺院は、仏陀が悟りを開いたことを記念し建てられたものである。

二千五百年余り前、シッダールタ王子は、真理を探究するために出家して修行した。菩提樹の下に静座していた時、夜空に輝く明るい星を見て心が無限に広くなり、悟りを得、衆生に対して説法するようになった。物語は今も続いている……。

二〇二三年一月から十一月までに各方面から慈済に連絡があったケアケースは、一万二千件以上に上った。ボランティアが毎月家庭訪問して長期的に援助しているケア世帯は延べ十一万世帯、在宅ケア世帯は延べ十八万世帯を数える。

慈済の慈善活動は既に五十八年の経験があり、台湾社会の少子高齢化の傾向とニーズに応じて、更に「予防」の概念を重視するようになった。即ち、転倒や障害予防、老化と社会への依存を遅らせる上で、台湾の長期介護社会福祉資源ネットワークにおいて、なくてはならない民間の力なのである。

霊鷲山で、我はかくの如く聞いた

三月末のある朝、夜が明ける頃、霊鷲山の祭壇の前で、慈済ボランティアは《無量義経》を読誦するために礼敬した。

霊鷲山は、仏典では「耆闍崛山(ぎじゃくっせん)」と称されることも多く、今のインド・ビハール州ラージギル郊外に位置し、仏陀が生前頻繁に説法した場所である。説法の一つが《妙法蓮華経》であり、《無量義経》はその真髄として、慈済が五十八年間に亘って精神的拠り所としてきた理念である。

仏の心は師の志
苦難を覆す

マレーシア慈済ボランティアの陳美聰(チェン・メイツォン)さんは、シロンガ村でケア世帯を再調査した時、事故による怪我のために這う動作しかできなくなった高齢の女性を見舞った。

慈済ボランティアが昨年二月にブッダガヤを訪れた後は、シンガポールとマレーシアのボランティアが交代で駐在し、慈善、医療、教育などの志業を着実に行って、下層階級に属する貧しい村の住民への支援を続けている。「慈悲喜捨」と「衆生の平等」という仏陀の教えを実践しているだけでなく、「仏陀の故郷への恩返し」という師の志を継承した奉仕である。

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