世界に目を向ける

ジンバブエ
とても貴重な一口の浄水

文・呉秀玲(台南慈済ボランティア)、ビーゴ(ジンバブエ支部現地ボランティア)
写真提供・朱金財(ジンバブエ慈済ボランティア)
訳・何慧純

子供たちは水たまりや池の水を直接、手ですくって飲んでいたが、雨が少なくて干ばつのジンバブエでは驚くには当たらない。しかし、去年コレラの感染が拡大し、一万人を超える患者が出た。不衛生な飲み水が主な感染経路だった。「コレラが広まった地域では、手を洗うよう呼び掛けるポスタ―があちこちで見られましたが、水不足が深刻なコミュニティで、どうやって手を洗えばいいのでしょう」。慈済ボランティアの朱金財(ヅゥ・ジンツァイ)さんは、どうしようもないという様子で、「これは現実離れした宣伝です」と語った。

ボランティアは、二つの方向から同時に支援した。つまり浄水剤を応急的に配付すると同時に、三つのチ―ムに分かれて、コレラの流行地域で井戸の修理を行った。專門のボランティアは井戸の底の鉄パイプを取り出して、損傷程度を確認したり、部品を取り替えたりすると共に、井戸の中に浄水剤を入れて飲み水の安全を確保した。一本の井戸で約六百世帯の水が賄えるが、去年から今年二月末までのコレラ禍が激しかった時期に、慈済のチームは六百二十本を超える井戸を修理した。この十年間で、二百三十六本の新しい井戸を掘った。

アメリカ
低所得世帯は学校で診療を受けた

文・陳曉瑩 
撮影・蔣國安(アメリカ・ノースカリフォニア慈済ボランティア) 
訳・何慧純

ノースカリフォニアの慈済ボランティアはこの十年余り、「幸福キャンパスプロジェクト」を推進して教育資源の支援やボランティア家庭教師、皆勤賞授与などを行ってきた。シリコンバレ―の南側にあるキャンベル市ローズマリー小学校は、長期的な協力パートナーであるが、ボランティアは、コミュニティの中に多くのスペイン系不法移民がいることを発見した。彼らは収入が不安定だったり、低所得者だったりで、健康保険も負担できず、高額な医療費も払えないため、医者にかかる時も、言語と経済上の困難が伴う。

二〇二三年十月、慈済は初めて学校でコミュニティ向けの施療を行い、二〇二四年三月に再びやって来て、漢方と歯科、脊椎関係の診療及び歯の衛生教育を行った。会場は「福慧エコ間仕切りテント」で診察室を作り、スペイン語の通訳ボランティアが会場で通訳した。施療活動は今後も半年に一回行う予定である。

(慈済月刊六九〇期より)

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