三人兄弟は貧困と病から抜け出せず、益々生きていく希望を失っていた。ボランティアは、介護機構からの連絡を受けると、電動ベッドを届けると共に、彼らと協力して支援を開始した。
まず屋内いっぱいの雑多な物を運び出し、家の中がきれいになると、心も明るくなった。
臨時に支援依賴を受けた新竹のエコ福祉用具プラットフォームチームは、早速個別案件世帯が必要としていた医療用ベッドを届けると同時に、初期段階の住環境支援を行った。
七月初め、慈済の新竹エコ福祉用具プラットフォームのボランティアが配送任務で忙しかった時、介護サービス指導員の江さんから、「新竹県関西鎮の或る家庭が支援を必要としています」という緊急メッセージが届いた。その個別案件の対象者は女性で、脳梗塞を患ったため体の右半身が麻痺した上に、退院したばかりの時に転んで立ち上がれなくなり、長い間、床(ゆか)に寝たきりで過ごしたので、体には排泄物がいっぱい付いていたのだ。弟は右手を骨折した上に、視力障害のせいで、仕事ができなくなっていて、唯一働きに行ける長兄も体調が悪く、一家の世話をするのが難しくなっていた。
「医療用ベッドの提供と、家の片付けをしてもらえないでしょうか」と江指導員が切迫した様子で話した。ボランティアは早速その個別案件の家に向かい、介護サービスの各部門と協力して全面的に住まいを清掃する計画を立てた。
八月十六日の清掃当日、ホームへルパーとボランティアは数時間かけて、散らかり放題だった住居を生まれ変わらせた。整理する前には、一つひとつの物を長兄に確かめ、合意を得ることで、彼の選択を尊重した。多年貯めていたダンボールと不要になった古着や家具などは、ボランティアが路地の入り口に搬送し、ごみ収集車に渡した。
物を整理するのは、まるで生活における重荷と無力感を取り除くようなもので、この家庭に久しぶりのくつろぎをもたらした。仕事に忙しい長兄は感謝し、弟は「私たちだけでは片付けようがなく、皆さんがこんなに助けてくださって、本当に感動しました」と言った。一言のシンプルな感謝の言葉が、長い間抱えていた苦労を如実に表していた。
ボランティアの賴怡潔(ライ・イージェ)さんは初めて住居の清掃に参加したのだが、屋内いっぱいの埃と雑多な物を見て心を痛めたそうだ。今やっと部屋が明るくなり、身心の健康に良い影響をもたらすはずだと言った。邱麗姿(チュウ・リーヅー)さんも、もっと善行ができると思ったそうだ。「物資を届けるだけでなく、住環境を改善してこそ、全面的なケアと言えるのです」。
ボランティアの黄敬尹(フウォン・ジンイー)さんの観察によると、その個別案件の世帯は、長い間病気の家族を世話してきたため、家の中に物を貯め込み、生活の空間がだんだん狹くなっていったそうだ。「これこそが本当の手伝いです」。慈済は福祉用具の提供だけでなく、住環境を改善すれば、彼らは心から互いに寄り添うことができるのだ。
今回の任務では三十人あまりのボランティアを動員し、中には子供を連れて参加した人もいた。江指導員は、「子供がこういう奉仕に接し、共感と尊重の心を身につければ、偏見がなくなり、人に手を差し伸べる心を育むことができるのです」と言った。慈済の親子の成長クラスに通う子供の方馨葇(フォン・シンロウ)さんは、「私はあまり力が強くありませんが、人助けができて、とても嬉しいです」と分かち合った。
関西鎮の陳光彩(チェン・グウォンツァイ)鎮長が現場に来て関心を示し、「この世帯の経済的な状況は中低所得世帯に近く、『生活困窮者』の法的認定基準には届いていませんが、積極的に中低所得世帯としての生活保護を申請していますから、役所と民間の資源で、三兄弟がケアを受けられるようにしていきます」と言った。
慈済は、介護機構と協力して、当事者と介護者の精神的ストレスを減らし、社会の温かさを示すことで、弱者世帯の困窮の中に希望の光を感じてもらっている。
(慈済月刊七〇七期より)


