編集者の言葉
一月初めから、二期目の歳末祝福会と認証授与式が、暖かい冬の太陽の下に繰り広げられ、證厳法師は宜蘭、彰化、嘉義、台南、高雄を行脚し、慈済大家族の心温まる毎年恒例の行事を円満に終えた。その期間中で最も感動的な光景は、間違いなく、各地のベテランボランティアたちが、自分のことが書いてある『伝家宝シリーズ』の書籍を持ち寄った時の様子である。本人が人生を語ったものも、詳細を書き起こしてもらったものも、それぞれの人生の記録であり、人間(じんかん)での貴重な菩薩行を証言している。
同じ時期、月刊誌『慈済』も重要なマイルストーンを迎えていた。二〇二四年七月から始まった『慈済SDGsシリーズ』報道は、今月号のテーマ「国連における慈済」で最終回を迎える。一年余りにわたって密着した詳細なドキュメンタリーは、近日書籍にまとめられ、慈済の六十年史の段階的証しとなって残るだろう。
法師はいつも弟子たちに、慈善奉仕は人としての本分であると説いているが、慈済人は依然として弘願を抱いている。それは、台湾発祥の静思という道義と慈済宗門の善行が、「清流」から「主流」へと変わり、人間(じんかん)仏教の影響力と認知度が台湾から国際舞台へと広がったことで、「慈済の論述は国際的に認められた」からである。
慈済は二十年以上にわたり国連で努力してきた。二〇〇三年、慈済は、国連広報局(DPI)と提携するNGOメンバーへの参加が認められ、二〇一〇年には国連の経済社会理事会(ECOSOC)の「特殊諮問委員」となった。慈済は長年にわたって、女性の地位委員会(CSW)で、女性のエンパワーメントの話を共有し、毎年国連気候変動枠組条約締約国会議(COP)などの会議に出席するうちに、単なる参加者から「提唱者」へと変貌を遂げてきた。菜食、環境保全、循環型経済、気候変動対策、若者のエンパワーメントなど核心的なテーマで提言を行い、慈悲の実践を数値化し、検証し、再現することを可能にしている。
慈済は地元の力を重視している。三十二年前、「刺繡入りの靴」を履いた数人の女性が、インドネシアで最初の一歩を踏み出し、慈善活動を展開した。同じ道を歩む地元民のボランティアは増え、慈済の四大志業は広く知られるようになった。今月号の月刊誌『慈済』では 、インドネシアの慈済人が国家レベルの「貧困救済と修繕プロジェクト」に参加し、五千戸余りの貧困者に住宅の修繕を行い、その戸数は今も増加中であることを報道している。
また、仏陀生誕の地ネパールでは、慈済の蒔いた希望の種がすでに芽生え始めている。ボランティアたちは職業訓練に力を入れ、そのうちの裁縫クラスでは、国家試験に合格して資格を持つ縫製技能士となった多くの女性を育成してきた。また、カースト制度のもとで続く貧困と弱い立場を好転させようと、専門技術を伝え、草編み工芸クラス、石鹸工房、希望のキノコ工房などを開設した。
世界の隅々で黙々と活動する全ての慈済ボランティアに、感謝を申し上げたい。このような大愛と善の影響力を国際間に広め、響かせていこう!
(慈済月刊七一一期より)


