好い人は限りなく存在する

学んだことを高めて智慧にすれば、知識を超越して大愛を発揮し、無数の善ある人を導きます。

社会は菩薩を必要としている

八月十四日、全米の慈青(慈済青年ボランティア)と卒業生、慈懿会幹部研修会の参加者が、オンラインで上人と話をしました。慈青たちが上人に発心立願した後、上人が開示しました。

「あなたたちと私の間には目に見える距離があってとても遠いのですが、目に見えない心の距離は私にとても近いので、非常に嬉しく思っています。今の世の中は、気候変動、不安定な人心などで、私はとても心配になります。しかし、今日、慈青菩薩の皆さんを見て、青春の清純な印象は、私の心に希望を溢れさせ、未来の人間(じんかん)社会はきっと良くなると感じました」。

「しかし、一人の力は小さいものです。先ほど、一人が五人を誘って投入すると発願したのを聞きましたが、それでは足りません。私の心願が『一から無量が生まれる』であるように、その人数は無限となるよう、心を尽くさなければなりません。というのも、人間(じんかん)は善人を必要としており、社会は菩薩を必要としているからです。菩薩というのは宗教上の名称であるだけでなく、自分を磨いて智慧を高め、大愛を発揮するのが、即ち菩薩なのです」。

上人は、皆は学識がとても高いのですから、学んだ知識を智慧へと高めるように、と慈青たちを励ましました。もし、知識を自分の利益のためだけに使うなら、心の中にある愛は萎んでしまうでしょう。知識を超越して大愛を発揮し、人類も一切の衆生も愛すれば、即ち「覚有情」の智者であり、いわゆる菩薩なのです。

「あなたたちの誠意ある発心立願を聞いて、安心しました。私はあなたたちに大きく期待しており、心より祝福します。どこに居ようとも、慈済の師姑や師伯(ベテランボランティア)たちと連絡を取り合ってください。彼らがあなたたちを愛する心は私と同じです。いつも連絡を取って互いに気遣ってください。あなたたちが養成講座を受けて認証を授かれば、彼らは私と同じように喜ぶでしょう」。

全米慈青幹部研修キャンプがアメリカ北カリフォルニア支部で行われ、百人を超える参加者が夏季休暇を利用して精進した。本部とオンラインで繋がった会場で感想を述べる参加者。(撮影・朱文廣)

リサイクルボランティアは社会の宝

八月二十八日、嘉義県の慈済ボランティアが精舎で上人と座談しました。この時、嘉義連絡所と太保共修所の師兄(スーシオン)や師姊(スージエ)も多数オンラインで参加しました。上人は、嘉義の慈済ボランティアが環境保全活動と高齢者ケアに努力していること、そして着実に慈善訪問ケアを数十年一日が如く行ってきたことに対して、嘉義の宝です、と称賛しました。

また、コミュニティに慈済のリサイクルステーションがあり、お年寄りたちが昼間に出かけて行ける場所となって、独りで家にいることがなくなったことにも言及しました。「大勢の志を同じくした善人たちと一緒に手や頭を使って、回収された資源を細かく分別し、とてもきれいに整理整頓しています。また、彼らの多くは環境保全をする道理を実によく理解しています。高齢になっても社会大衆のために貢献できるということは、地球環境への貢献でもあり、これらは全て感謝すべきことであり、喜ばしいことです」。

「私たちは、そのようなお年寄りを大切にしなければなりません。彼らは若い頃は家と子供たちを守り、子供たちが成長して就職すると、孫の世話もしました。しかし、孫が成長すると、独り暮らしになってしまいました。同年代の人たちと出会える場所があるのはとても良いことで、その上、慈済の道場では人の陰口を叩いたりすることはなく、お互いに善行を勧め合っているのです。ある人は子供や孫との意思疎通が悪く、悩んでいましたが、リサイクルステーションに来てからは、自分の気持ちを話すようになりました。お年寄りがお互いに慰め合って心を開けば、悩みは消えます。そして、家に帰っても、子供や嫁、孫たちと言い争うこともなくなり、家庭に笑顔をもたらして雰囲気を変えることができたのです」。

「リサイクルボランティアは社会の宝であり、各家庭の宝でもあるのですから、私の代わりにお年寄りたちを大切にしてあげてください。どうやって大切にするのかというと、側で彼らの仕事を見ているのではなく、彼らと一緒に行動し、敬老精神でもって彼らを尊重するのです」。

師兄や師姊たちが持ってきた、ピスタチオの殻で作った手工芸品を見て、上人はその器用さを讃えました。綺麗に仕上げられたその品々は、無用だと思われていた殻を使ったものです。多くの人に贈れば良縁を結ぶこともできますし、環境教育にもなるのです。皆さんもご存知だと思いますが、回収されて整理されたペットボトルからエコ毛布が作られ、多くの国に届けられて、苦難にある人々を寒さから守っています。例えば、ポーランドにいる多くのウクライナからの避難民は、慈済から買い物用プリペイドカードと温かい毛布を受け取ると、真っ先にそれを体に羽織っていました。ですから、皆さんは資源を回収、整理、分別する過程で、絶えず数多くの国の人と良縁を結んでいるのです。

上人は、リサイクルボランティアの長年の心を尽くした奉仕に感謝すると共に、師兄や師姊たちに「師匠に代わってコミュニティのリサイクルボランティアに謝意を伝えると共に、大愛テレビを見て世の中の出来事や最新の慈済の情報に触れ、共に菩薩の隊列に加わって欲しいと伝えてください」と言付けました。


(慈済月刊六七一期より)

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