コロナ禍の千日

台北市萬華区社会福祉センター前に多くの市民が列をなし、簡易検査の順番を待っていた。その光景はすでに歴史となり、簡易検査場や隔離ホテルも役目を終え、コロナ専門病棟の数も減らされた。国境も開放され、市民はウィルスとの共存を始めた。(撮影・蕭耀華)

三年に渡る新型コロナウィルス感染症は収束を迎えたのだろうか。次の未知なる伝染病への備えは出来ているのだろうか?ウィルスは絶えず変異を続け、感染力を増しているが、軽症者が大半を占めるため、市民の関心は他の話題に移っている。

しかし、世界では既に六億人が感染し、六百五十七万人が亡くなっている。人類が共に戦ったこの伝染病を振り返ると、様々なことに気づく。

防疫と救済 慈済が世界を守る
  • 97の国と地域で防護服や簡易検査キット、マスク、医療機器などの医療防疫物資を支援した。また44の国と地域で救済支援金や安心生活ボックスなど生活物資を配付した。
  • 2020年1月から2022年9月までに、全世界で合計5千7百万個の防疫物資を寄付した。

慈済ボランティアは5月から新北市在宅介護ケアセンターに常駐して、陽性者からの電話に応対し、その通話内容を記録した。また衛生所による電話での陽性者への心のケアにも協力し、慈済は他団体と共に6月末から計13万回を超える通話を実施した。(撮影・蕭耀華)

医療と慈善が手を取り合う

新生活への適応

新型コロナウィルスの変異株は感染が速く、二〇二二年四月と五月、地域のPCR検査場や救命救急センターはPCR検査を待つ人々で溢れた。政府は重傷者と軽症者を分けて、医療リソースを維持し、治療薬の確保やワクチンの接種を実施するなど防疫政策の調整を行った。また無症状者や軽症者は自宅療養へ切り替えられた。市民がコロナと共存する新生活に適応できるよう、慈済は引き続き、各地方自治体や機関への簡易検査キットの寄付を行い、陽性者や自宅で隔離する人に「安心セット」や「安心生活ボックス」を提供し、医療と慈善が手を携えて地域の健康を守っている。

    キーワード :