菜食するのは慈悲心を表わす最も具体的な方法であると同時に、誰もが気候変動を緩やかにできる一番よい方法でもある。「健康チャレンジ21」は、科学的な方法で一歩進んで証明している。このように菜食すれば、最も健康に良い。
桃園に住む黄東梅(ホワン・ドンメイ)さんは、「健康チャレンジ21」に参加した。初日の弁当を食べ終えて家に帰ると、冷蔵庫を整理した。数多くの加工食品や必要でもない調味料、ひいては長い間入れっ放しの食材まであり、「全て不合格品」だった。「健康チャレンジ21」の食事内容は全て、新鮮な食材を丸ごと使うので、脂っこくなく、過度な調理も施されず、様々な色のものが入っていて、食べ終わっても、胃にもたれるようなことは全くなかった。
彰化慈済ボランティアの楊美月(ヤン・メイユエ)さんは、「以前は三百を超えていた中性脂肪値が百八十に下がり、尿酸値は九・六から七・六に下がりました。また、コレステロ―ル値も正常になり、体重が六キロ減ったのです」。健康チャレンジ21に参加して以来、これらの血液検査の結果は、臨床検査技士を驚かせた。「何か薬を飲んでいませんか、とまで聞かれました」。
飲食の内容を調整したことで、ホールフードの魅力を味わえると共に、菜食パワ―が見えて来た。「科学的な方法で菜食を呼びかけているのです」。慈済慈善事業基金会執行長室の職員である呉佩珊(ウー・ペイシャン)さんの説明によると、「健康チャレンジ21」活動とは、参加者が21日間、全植物性飲食を体験するものである。「菜食をすれば健康が改善できると信じていない人が非常に多いので、チャレンジする人に血液検査をしてもらうのです。始める前に採血し、21日後に再び採血するのですが、二回の検査報告を見比べると、答えは明らかです!」。
台湾全土では既に十九の県と市で、慈済ボランティアが先頭に立って、健康チャレンジ21活動を行っている。調理は協力レストランで行い、栄養士が厳しくチェックする。また、昼と夜の弁当を自費で予約でき、自宅で調理する方法を選ぶこともできる。
彰化県のボランティである游素貞(ヨウ・スージェン)さんによれば、彰化市の町や村はあちこちに散らばっているため、弁当作りと配送の協力をしてくれるレストランを探すのが難しいそうだ。「この活動を普及させるために、七日間と十四日間の選択肢を弾力的に取り入れ、調理方法も教えています」。
元々志玄文教基金会彰化センタ―で茶道を教えていた游さんは、先ず、試しに自分で調理した料理を二つのクラスの学生に食べてもらい、感想を聞いてみた。「恥ずかしい限りです。長年、菜食をして来ましたが、掦げ物が大好きだったのです。全植物性飲食に接してから、初めて自分の食習慣が健康には全く良くなかったと分かったのです」。もし、もっと多くの調理ボランティアが全植物性飲食に接する機会があれば、彼らの考え方を変え、家族も一緒にもっと健康になるのではないか、という考えに至った。「私たちは家族全員のために食事内容をチェックしました。もしへルシーな食事を食べてもらうことができれば、食事は幸福な家庭の源となるのです」。
彰化では、ボランティアがコミュニティで模範講座を開き、体験キャンプを催した。高雄では、あるクリニックの医師が十四日間チャレンジした後で診察を受ける時に全植物性飲食を勧めることができるよう、慈済ボランティアに健康教育パンフレットを作ることを提案した。南投県草屯では、健康チャレンジ21活動で初めて、調理ボランティアが弁当の調理師を担当し、同時にリサイクルステーションの昼食を変えるきっかけにもなった。
台湾、マレ―シア、シンガボ―ルなど十八の国と地域では、十一月初めに、「一万人による炭素削減と活力を取り戻す食事──健康チャレンジ21」活動を、円満に終えた。国を跨いで同時に21日間のチャレンジが行われ、SNSプラットフォ―ムに情報を発信し、大衆に全植物性飲食を理解してもらった。二千六百人を超える人が参加し、オンラインで食事の準備や食の変化などに関する感想を分かち合った。
「非常に多くの人が、食事を変えることで健康になるのだと身を以て証明したのです。体は実に正直ですから、正しい食生活をすれば、全てフィ―ドバックしてくれるのです」。呉さんは、要点が分かれば、直ぐ始めることができる、と言う。「全植物性飲食の考え方を正しく理解し、調理は実はとても簡単なことだと学べますよ。家族全員で健康的に食べましょう」。(資料提供・張玉美、陳秀嫚)
(慈済月刊六七三期より)