永続生存への試練

慈済ボランティアは澎湖・湖西郷東北海岸でビーチクリーン活動を行った。統計によれば、漂着ゴミはペットボトルや発泡スチロール、フロートやブイ、廃棄された漁業網や道具などが大半を占めている。(撮影・黄筱哲)

非営利団体世界経済フォーラム(WEF)は二〇二二年、これから十年間のグローバルリスクのランキングを発表した。気候変動への対応の失敗、極端な異常気象、社会結束力の衰退、伝染病等が含まれている。商工業の発展が環境破壊を加速させていることは周知の事実であるが、止まる所を知らない。貧富の差と高齢化のスピードが加速し、日々の生活に試練を与えている。目先の利益だけを追っていたのでは、それを持続することは難しい。次の世代が私たちから引き継ぐ地球は、どんな様子だろうか?

天災の警告 希望を勝ち取る

世界は「気候非常事態」に突入した。二〇二二年初めに四つのサイクロンが立て続けにマダガスカルを襲い、数十万人が被災し、貧しい人たちが最も苦しむことになった。アメリカ・カリフォルニア州セントラルバレーでは夏に森林火災が発生し、ヨセミテ国立公園にまで迫り、住宅や商業ビルにまで被害が及んだ。貧富を問わず全ての人に災害は襲いかかる。慈済ボランティアの支援と防災能力も試されている。

今年5月、連日の豪雨はインドネシア東カリマンタン州テルム川周辺の村で冠水を引き起こした。慈済ボランティアは、東カリマンタン州クタイ・ティムール県 ジャックルアイ村に向かい、視察と生活物資の配付を行った。村は一面が水に浸っていたので、ボートで移動するしかなかった。

(写真の提供・慈済インドネシア支部)

タイでは2022年の雨季の雨量が例年よりも多く、10月には台風ノルーの襲来により、ムン川付近の村が水に浸かった。以前よりも水位が高くなり、被災範囲が広がったので、ウボンラーチャターニー自治体では史上最悪の水害となった。水はなかなか引かず、住民は避難所に半月以上滞在した。ボランティアは食糧を配付し、また、家にとどまっていた住民にはボートで物資を届けた。(撮影・蘇品緹)

    キーワード :