世界に目を向ける

アメリカ
ハワイの森林火災

資料提供・アメリカ慈済ボランティア
訳・心嫈

ハワイの有名な観光地であるマウイ島で八月八日、森林火災が発生した。当日は、ハリケーン‧ドーラがハワイ南部を通過したため、強風が火災の蔓延を助長し、一万二千人が住むラハイナの町は、八割以上の建物が焼失し、九十七人が死亡し、九月中旬の統計では、三十七人が行方不明になっている。

アメリカ全土の慈済人は支援募金を呼びかけ、慈済災害支援チームは、八月二十七日からラハイナでプリペイドカードを配付すると共に、被災住民と交流して、ニーズを聞き取った。多くの住民は、着のみ着のまま火災から逃れたため、現金をチャージしたプリペイドカードで日用品を購入し、急場を凌いだ。ボランティアはまた、エコ毛布と花輪を贈呈して関心を寄せた。九月十七日までの統計によると、四回の配付活動で千五百九十三世帯を支援した。

(慈済月刊六八三期より)

台湾

豪雨で大きな被害をもたらした仁愛郷

崩れた山道で安らぎを届ける

文・邱智慧、施金魚、蔡鳳宝、林恵芳(南投慈済ボランティア)
訳・心嫈

八月上旬、台風六号(カーヌン)の外側の気流によって連日の集中豪雨がもたらされ、南投県仁愛郷は甚大な被害を受けた。土石流が道路を押し流し、多数の村落は外部との連絡が断たれて、陸の孤島となったため、支援が待たれた。慈済基金会は南投県政府及びスーパーマーケットのカルフールと協力して、八月六日に一‧七トンの民生物資を提供し、住民の基本的な生活ニーズを維持するため、ヘリコプターで山間地帯に投下した。

崩れた道路が区間ごとに開通すると、八月八日から、ボランティアは南豊村、春陽村、親愛村など被害が深刻な集落で調査を行い、被災者の家庭を訪問して、心を込めた支援を継続的に山間の集落に送った。

災害から一週間が経過しても、多くの村民の家は依然として泥の中に埋もれたままだったため、土石や岩を取り除くために大型機具を投入したり、軍隊が出動して土砂を取り除いた。南豊村の或る家に泥流が流れ込み、高齢の母親と障害のある息子は、被害の後片付けができなかったので、避難した母子が早く家に戻れるよう、慈済ボランティアが自ら掃除道具を持参し、小型のショベルカーで泥の除去を手伝った。

慈済ボランティアは、連日のように各集落の被災世帯を訪問し、ケアとともにニーズに応え、證厳法師からの励ましの手紙と義援金を手渡した。住民は、土石流が家の前に流れてきた時の光景を思い返すと、今でも平静でいられず、慈済基金会の心遣いと支援を受けると、感動の涙を流した。八月二十一日まで、ボランティアは五つの村で九十九世帯を訪問した。今後も生活支援、医療、教育の助学金、住まいの確保などのケアを継続する。

(慈済月刊六八二期より)

マラウイ
集落幼稚園 第一期の卒業生

文・袁亜棋(南アフリカ慈済ボランティア)
訳・心嫈

ピンク色の壁には数字、英語のアルファベット、チェワ語の文字が描かれており、マラウイのブランタイヤにある集落、チゴジョでは、慈済ボランティアが砂利、レンガ、セメントを募って「給食のある幼稚園」を建てた。子供たちはここで学習し、卒業証書をもらうと、地元の公立小学校に入学することができる。

今まで、チゴジョには幼稚園がなく、就学前の子供たちは徒歩で他の集落へ通わなければならなかった。二○二一年、現地の慈済ボランティアは、質素な造りの教会での「給食のある幼稚園」の開設に協力した。ところが、半年も経たないうちに、サイクロンの強風と豪雨で壊れてしまった。今年初めに教室と調理場が完成し、学校が再開された。毎日百人以上の子供が通い、七月には第一期の卒業生が誕生した。

(慈済月刊六八三期より)

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