奥深い仏教音楽と伝統舞踊で仏の徳を讃嘆

編集者の言葉

十月下旬になると、「何日の何回目の経蔵劇に参加しますか」という言葉が、多くのボランティアの間で挨拶になった。

公演の舞台規模がミュージカルにも引けを取らない「慈済の経蔵劇」は、事相や仏教の真理を伝える方便法門だと言える。一方で、芸術と文芸の美を融合させた荘厳な法会でもある。そして、それ以上に、證厳法師が片時も忘れることがない、人間(じんかん)仏教を広めるために、プラットホームとしての役割を果たす。

数年前に花蓮慈済静思堂で上演したのを皮切りに、高雄ドーム、彰化県立体育館から今年十月の台北アリーナに至るまで、慈済は、その半世紀以上にわたる志業の発展と《法華経》、《無量義経》を融合させた大規模な経蔵劇を企画し、演出チームが調整と修正を重ねた最新作が、四日間続けて十回公演された。舞台下の「法海」エリアと「大愛の光」エリアでは、毎回二千五百人以上の慈済ボランティアも参加した。更にオンラインで即時配信され、世界中の人々がリアルタイムで参加することができた。

いわゆるミュージカルとは総合的な舞台芸術であり、歌、演技、ダンス、音楽と衣装、道具、舞台、マルチメディアデザインなど多元的な美を統合したものである。中国の伝統的な演劇である崑曲や越劇、京劇或いは台湾オペラなどは、舞台でのセリフと合唱、音響、動作、道具などは多少類似しているが、剛柔の表現、虛実性、ステージ規模においては程度や境地の差がある。

西洋のミュージカルは、華麗で具象的且つ写実的だが、中国の伝統的演劇は、簡潔で抽象的且つ写意的な表現方法をとる。いずれにせよ、このように、音楽と演劇による演出で歴史や生死を超越した仏法を表現することは、感染力のある説法だと十分に言える。また、大衆や若者にも受け入れられ易い。

最初の十年間の慈済手語による演出から、その後の十年間の大規模な経蔵劇に至るまで、慈済は二十年にわたって音楽と演劇による説法モデルを開発してきた。近年の経蔵劇『静思法髄妙蓮華』や『無量義 法髄頌』は、益々完成度を高めていると言える。元来は自作の曲にボランティアによる慈済手語の動作を組み合わせたものだったが、その後、プロの芸術文化団体に協力を仰ぎ、ボランティアを訓練して舞台の上下を融合させ、一緒に演じるようになった。整然とした動作は敬虔な心を伝えていると共に、奥深い仏教音楽と伝統舞踊でもって、仏の徳を讃えている。

「静寂清澄、志玄虚漠、守之不動、億百千劫」という部分は、《無量義経》の精髄である。経蔵劇は慈済の法髄と芸術文化の精髄を組み合わせており、「無量義」の心境と境地を伝えている。数カ月にわたって稽古に精進し、公演に参加した菩薩らの誠意は、人々の心を強く揺さぶる。仏教徒であるか否かに関わらず、見る人の役に立ち、感動を呼び起こす。

(慈済月刊六八四期より)

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