離島の中の離島—飲み水の確保が難しい

フィリピン・ボホール島沖の小島、バゴンバンワ島は、サッカー場三、四面分の大きさしかなく、千三百人余りが暮らしているが、淡水資源が無いため、飲料水や生活必需品は全て、大きな島からの補給に依存しており、毎月の飲料水代だけで収入の一割に上る。このような状況が、ボホール島周辺に点在する八十以上の小島でも同様な問題となっている。

(撮影・陳義銘)

海を眺めてつくため息

バゴンバンワ島には公道としての桟橋がなく、荷物の積み降ろしは全て、人が背負って、海水の中を歩いて岸まで運んでいる。

バゴンバンワ島は、ボホール島で一番賑やかなトゥビゴン港から船で約一時間かかる。トゥビゴン市では五ガロンボトル入り飲料水は一本40ペソ(約100円)だが、バゴンバンワ島に輸送されると、その価格は60ペソ(約150円)になる。或る民家の前には空のボトルがいっぱい置かれ、トゥビゴン市へ運ばれて再び補充されるのを待っていた。

井戸水の淡水化

島内には飲料水の自動販賣機が設置され、ポリ袋も提供されており、1ペソを投入すると、約250ミリリットルの飲料水が買える。

島でよく見かける井戸の水の塩分は海水よりやや低く、主に洗濯や清掃に使われているが、淡水化して飲料水の供給源とすることも可能だ。一年をかけて設備の設置と検査を終え、2024年12月17日、慈済ボホール島連絡所は、バゴンバンワ島に太陽光発電による海水淡水化装置を提供した。

この設備は台湾のソ—ラ—パネルメ—カ—の陳其毅氏と、台湾ハマク科技会社が共同で寄贈したもので、一日に約5千リットルの淡水を生産することができる。バゴンバンワ島及び近隣のマカボック島合計2千人の住民に、一人あたり一日2・5リットルの飲料水を供給することができる。

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