世の平安は人生最大の幸せ

新年の心願は自分の幸福だけでなく、良い心がけで良い願を立てるよう人々を導きたいと願っています。常に良い事を話し、良い事を行い、衆生と共に幸福を造りましょう。

人々が仲良くなり、世の中が平和になり、自然の営みが順調であることは、人生で最も大きな幸せなのです。

西暦の正月が過ぎると、次は旧暦の春節を迎えます。毎年のこの頃は、歳末祝福会が催されて喜びに満ちると共に、また時の過ぎ去る早さを感じさせられます。「一日過ぎれば、命もまた短くなる」。日々が過ぎ、毎日平穏無事であることが幸せというものです。敬虔に自分の幸せを祈るだけでなく、大いなる因縁によって、慈済という団体の中で天下の衆生に福利をもたらせれば、もっと幸せなのです。

私たちは模範にならなければなりません。常に良い事を話し、良い事をして、人々の善良な心を啓発し、良い願を立てるようになれば、共に世の中で幸福を造ることになります。同じ善念を持って人々が仲良くなり、自然の営みが順調になれば、これこそが私たちの人生での最大の幸せなのです。

仏陀がこの世に来た最大の目的とは、人々に菩薩法を説き、人々が菩薩心を啓発して苦難にある人々に奉仕することを教えるためです。人には元より仏性が備わっていますが、ただ何世にもわたって何重もの無明に覆われ、自分の清浄な本性が覆い被さってしまったのです。心にある仏性を見つけ出すことが、私たちの修行の目標なのです。

一念の無明から道理を逸れ、僅かな誤差が万里の差になるため、私たちは心のあり様をしっかり守らねばならないのです。もし、人の言葉や態度が自分を傷つけ、それによって心に無明が起きたら、仏法を以て綺麗に拭い去り、無明・煩悩を転じて智慧と成し、人と良縁を結ぶのです。

歳末祝福会のどの会場に行っても、朝から慈済人が私に会いに来ます。人々の分かち合う人生は、まるで一部一部の経典のようで、私の知識と智慧を増やしてくれます。私も皆さんが人間(じんかん)で奉仕している時に、皆が心を一つに、仲良く行っているのかどうかを聞いてみたいのです。活動の中でお互いの意見が合わず、不愉快な気持ちになっていたとしたら、私に話してください。私が皆さんの心を調整して、同じ方向になるよう導いてあげます。二本のレールが正確に敷かれていれば、列車がどれだけの車両を繋げても、一つの車両が次の車両を引っ張って前進し、その道理は揺るぎないものです。世の菩薩道とはこういうことです。

私は毎日、私たちの世代が共に慈済に参加し、価値のある事に奉仕し、毎日、良い人たちと集い、心が喜びに満ちていることに感謝しています。皆さんが服装を整え、秩序正しく出入りし、自分の持ち場で精進し、「合心、和気、互愛、協力」という四つの心得を普段から行っていることに、私はとても満足しています。

私はいつも慈済人に対し、自分の人生の価値を点検するようにと話しています。私も毎日点検して、幸せを感じています。生々世々善因と良縁を積み重ね、今生は仏教に奉仕しています。そして、これほどたくさんの人間(じんかん)菩薩が私を支持し、世間でたくさんの苦難にある人を助けてくれています。皆さんの地域での訪問ケアのお話で、ケア世帯の子供が大人になって自立した話や、慈済人一家全員が慈済に投入し、子や孫の代の人が私に分かち合ってくれる話を聞くと、彼らのご家庭の仲睦まじさが感じられます。これらは私にとって、とても大きな供養であり、それだからこそ、私もまた大衆の中で修行をしているのです。

慈済人が大衆と良縁を結び、人に与える印象と行動を見た人たちは、これが「慈済」なのだ、と愛と尊重の思いを抱き、慈済人の品格と礼節を肯定してくれます。ですから、私たちは更に自分を点検し、慈済の志業に参加することの価値と責務を理解し、自愛しなければなりません。もしお互いの間で、不当な行為を見たり、不適切な言動をしたり、声を荒げたりするようなことがあれば、そっと近寄って気づかせてあげましょう。それは、お互いのためになる愛なのです。

毎回の行脚で、皆さんを見るたびに、老いの早さを感じます。歳月と共に過ぎていけば、自然の法則から逃れることはできません。病気と老いは辛いものですが、皆さんの人生の様々な経験を私も感じることができ、老いてこそ、その意味が分かるのです。

慈済人がケアしている家庭や身寄りのないお年寄り、病に苦しんでいる人たちは、誰かの助けが必要です。慈済人に住環境を清掃してもらったり、エコ福祉用具を届けてもらったりする時、彼らの心が感謝に満たされるのは想像に難くありません。愛されることはとても幸せですが、誰も世話をやかれたいとは思わないものです。ですから、愛の奉仕をする人は細心の注意が必要で、相手の心を傷つけないようにしなければなりません。相手が、「軽く見られた」、「軽蔑された」、と感じるようではいけません。人間(じんかん)菩薩が真心で近づいて、相手のために祝福すれば、深い印象を残してくれるでしょう。

春節が近づくこの頃は、萬物に春が訪れ、発展の季節を迎えますが、慈済も皆さんの努力で更に発展していくことを願っています。皆さんの新年の願いが叶い、そして、すべての人々のために祈ることも忘れないようにし、その敬虔さを結集して、愛のエネルギーを奉仕すれば、世の中は平安と無病息災になるでしょう。これが私たちにとって大いなる幸せなのです!

(慈済月刊七一一期より)

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