物事に執着せず、人に心を乱されず、
どうすれば自分の心の葛藤を解決できるかを知るべきです。
宗教の分け隔てなく、誠意で接する
十一月二十五日、メキシコから台湾に戻ったばかりの営建処顧問の林敏朝(リン・ミンツァオ)師兄は上人に、モレロス州ホフトゥラ市で慈済が支援建設しているカトリック・モレロス総合学校の校舎の進捗状況を報告しました。モレロス総合学校は、二○一七年九月のメキシコ大地震によって大きな被害を受け、慈済の支援によって校舎の建て替えが行われています。二○一八年十二月、シスター・マルタと校長のシスター・アデリナ及び建築士のパブロ・ヴァラダレス氏が台湾に来て上人に面会しました。上人は、「慈済が世界でこれほど多くの事を成して来られたのは、大衆が慈済を信じてくれたからであり、愛の力を結集させ、成就できたのです」と話しました。
そして次のように言いました。「慈済が支援して、メルセダリアス修道女会の学校校舎の建設を行っていますが、慈済のために何かを求めたことはなく、お互いに誠意を以て交流しています」。「私たちは見返りを求めない奉仕をしており、与える側に誠意があれば、受け取る側も誠意を以て感謝の気持ちを表します。学校校舎はしっかりしたものを建てなければなりません。ですから、宗教は分け隔てなく、意義のあることを、心を一つにして、誠意を以て成し遂げることが大事です」。
「仏教の観点から見れば、いつも世の衆生のために奉仕すべきです。世の衆生の平穏を望むなら、この世を平和に保つべきです。そして、この目標を達成したいのならば、教育が必要になります。教育はこの世の希望であり、慈済はその分野で奉仕し、子供たちに安全な良い環境の中で良い教育を受けさせることができれば、とても価値があると言えます」。
柔和忍辱はこの世を平和にする
今年、慈済が世界中で行っている慈善支援の対象にパキスタン、チャド、トーゴの三カ国が加わりました。十一月二十六日、上人は新竹連絡所を訪れ、歳末祝福会と認証授与式典の中で、全世界の慈済人が大愛を広め、益々多くの国と地域で苦難にある人たちを支援していることに感謝すると共に、師兄や師姉たちが日々精進し、志業を受け継いでいくようにと励ましました。
慈済から支援を受けた国の人々は、慈善支援を必要としています。資源が不足して貧しいだけでなく、国や社会が不安定なため、各方面で発展することが難しくなっているからです。上人は皆さんに、台湾で暮らしている縁を大切にし、平和と平穏な社会を大切にして、人同士が和気藹々にならなければなりません。人と人が仲睦まじく接すれば、家庭が和やかになり、和やかな家庭では良い躾ができ、社会に出れば、他の人と団結するようになり、一緒に愛の力を発揮して、貧しく苦難にある人を助けるようになります。実際、発達した国にも貧しい人はいます。貧しい人がいる限り、愛を携えた人はいるのです」と言いました。
上人は、まだ自在に行動できる時間を逃さず、できる限り志業に打ち込み、歩める間に歩幅を大きくして前進するように、と高齢のベテラン慈済人を励ましました。「体が高齢になるにつれ、衰えるのは避けられませんが、心と頭は老けないようにしなければいけません」。
「私たちは精進し続けると共に、若い人たちを励まし、愛を伝承していかなければなりません。各家庭が愛を伝えてこそ、台湾の平穏と平和を守っていくことができるのです。ここ数十年、慈済人は、至る所で愛の募金活動を行うと共に、人々に善行と親孝行をするよう励ましていますが、その効果は既に表れ始めており、地域の調和、社会の平安に役立っています。私たちが以前、台湾社会のために努力したことを忘れず、次の世代に伝承していってください」。
「私たちは仏陀の時代と既に二千五百年余りも隔たっていますが、幸いにも仏陀の精神を伝承することができるのです。慈済は常に仏陀の精神に従って、皆が『仏教の為、衆生の為』に励み、人間(じんかん)に善、愛、孝行心、仏陀の教育を伝えています。ですから、皆さんはしっかりと社会に奉仕しなければいけません」。
上人は、「仏陀の教育は慈悲喜捨であり、大慈悲を以てこの世に愛を満たし、柔和な話し方を身につけ、お互いに称賛し合わなければなりません。もし誰かが間違いを犯したら、方便法を使って彼らに近づき、彼らが変わるよう導くのです。彼らも他の人を称賛し、お互いに愛し、助け合えば、社会の雰囲気は調和の取れたものになるでしょう」と言いました。「あなたたちに『柔和忍辱服』を着るよう教えているのは、蟠りのない心で、自分と縁のない人に会った時でも相手の話に耳を傾ければ、心が乱されることはありません。どうすれば自分の心の葛藤を解決できるかを心得てください」。
「『諸法は空を座と為す』という言葉の通り、何事にも執着しないことです。智慧を以て判断し、大衆を利する善法であると分かれば、心して学ぶと共に、絶えず伝承し、人々に善行して愛を携えていくよう、呼びかけなければなりません。社会には問題がとても多いので、私たちに好い縁があるなら、家庭円満と和やかな近隣関係を人々に呼びかければ、調和の取れた社会を築くことができます。これこそが私たちの幸せなのです」。
上人は、「慈済で法縁者に対するだけでなく、家庭でも同じように家族に接すれば、家庭は仲睦まじくなります。肉親だからいい加減でいいと思ってはいけません。家族にも感謝すると共に、尊重し、礼儀正しく、愛を以て接するべきで、これが良いしつけのある家庭なのです。もし、それぞれの家庭が感謝と尊重、愛に満ちるようになれば、その地域はとても美しくなるでしょう」。
(慈済月刊七一〇期より)
エチオピアは干ばつの影響で食糧不足に陥っている上に、内戦のために人々の生活は困窮を極め、住まいを追われている。慈済基金会は現地の慈善団体「キドミア」(KIDMIA)と協力して、デブレ・ベルハン郡の3つの難民キャンプに食糧パックを配付して支援した。3000世帯に対する配付は2段階に分け、第一段階は7月16日にバカロ難民キャンプの1100世帯を対象に、1世帯当たり小麦粉50キロ、食用油3リットルを難民に配付した。


