インド—サンディープ君 あれから元気でしたか

サンディープは今では健康に過ごしています。先日のかけっこでは一位になりました。ただ、勉強があまり得意ではないのです。ラージギルを通る時は、いつもサンディープに会いに来て私たちを家族として扱ってくれる、彼を世話してくれた皆さんと證厳法師に感謝しています」。三月末、スマンティ・デヴィさんは、慈済ボランティアが再び訪れたことに驚きと喜びを感じながら、息子サンディープ君の近況を説明した。

二〇二二年、経蔵劇を演じる慈済チームが仏陀の故郷の映像を放映した時、證厳法師は、一瞬で過ぎた画像の中の棒のように痩せているのに、太鼓のような大きなお腹をした子供の姿に目を留めた。忍びない思いを抑えきれず、ボランティアにその子を探してもらった。現地ボランティアの世国さんは、村から村へと探し回った結果、ラージギルの七葉窟がある山の麓でサンディープ君を見つけた。そして、彼に付き添い、治療費も援助した。手術は成功し、彼は他の子供と何ら変わらない少年になった。

現在公立学校に通っているサンディープ君は、ボランティアの手をとって部屋に入り、数字を書いたり、物語を読んだりした。彼が教師になりたいというので、ちゃんと勉強するように、とボランティアが励ました。

治療を求めて長距離を移動
肩の荷が下りた

二〇二二年六月、世国さんとブッダガヤボランティア、士楊さんは、入院検査を受けるサンディープ君に付き添った(下の写真1)。台北慈済病院の趙院長の協力で、小児の泌尿関係の疾患であると診断され、治療方針が示された。七月、二人はサンディープ君と両親に同行し、千百キロ離れたニューデリーにある、インドで最も先進的なアポロ病院へ向かい、ベテランのスージア医師による治療を受けることになった。病状は緊急を要していたので、スージア医師が直ちに排尿手術を行った。手術によって七リットルを超える尿が排出され、一時、腹部がへこんだ状態になった。圧迫されていた内臓は徐々に元の位置に戻ったが、左の腎臓は既に機能を失っていたため、同年八月に再びニューデリーへ行き、摘出手術を受けた。

手術が二回とも成功し、両親はやっと安心することができた。肩の荷が下りたようにサンディープ君も笑顔を取り戻した。他の子供と同じように駆け回ることができ、色眼鏡で見られることに耐える必要もなくなった。何よりも彼はこれから健康に成長していけるのだ。

(慈済月刊六九〇期より)

ベテランのスージア医師による治療を受けた。(写真2)手術によって大量の尿が排出され、一時、腹部がへこんだ状態になった。(写真3)

「ラージギルを通る時は、いつもサンディープに会いに来て私たちを家族として扱ってくれる、彼を世話してくれた皆さんと證厳法師に感謝しています」と3月末、お母さんのスマンティ・デヴィさんは、慈済ボランティアが再び訪れたことに驚きと喜びを感じながら、感謝した。

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