極端な気候下での行動

編集者の言葉

今年七月以降、台湾は立て続けに台風に見舞われ、被害を受けた。台風四号(ダナス)は上陸した後、強風によって雲林、嘉義、台南に甚大な被害をもたらした。また、台風六号(ウィパー)の外縁気流の影響により東部の山間部で豪雨になった。台風八号(コメイ)は上陸しなかったものの、台風周囲の風と南西の気流との相互作用で南部に線状降水帯が発生し、「〇七二八豪雨」を引き起こし、八月上旬まで降り続いた。この二カ月間は極端な気象現象が集中的に発生しており、その被害は広範囲に及んだ。

人文真善美ボランティアは、被災地で記録した修繕活動に関する文章を編集した時、作業チームの苦労をつくづくと感じた。彼らは引き受けていた自分たちの仕事を断って被災地に駆けつけ、降り続く大雨の中、雨が止む合間を見つけて作業をした。瓦や鋼板は炎天下で熱くなっていた時も、彼らは一刻も時間を無駄にしなかった。というのも、雨を遮れない被災者の悩みを思いやったからだ。解体廃棄物の埃が舞う中、全国各地から来た、様々な職業の慈済ボランティアが働き手となり、次の台風が来る前に工事が完成できることを願った。

ボランティアが修繕工事の進度状況を報告するたびに、證厳法師は何度も忍びなく思った。「独居高齢者や障害者の家の屋根がなくなっていることを思いやるだけでなく、建設作業員やボランティアの苦労が忍びなく、この修繕工事を成し遂げた人全員に心から感謝します。被災者が安心して暮らせれば、皆の心も安らかになるでしょう」と言った。

先月346号の「今月の特集」に続き、今月号でも台風四号(ダナス)被害からの復旧をテーマにしている。執筆者の周伝斌(ヅォウ・ツヮンビン)さんと撮影者の黃筱哲(フウォン・シャオヅォ)さんは、何度も被災地を訪れ、この一カ月余りの復旧工事の進捗状況と困難を取材した。

同じく七月に、アメリカ・テキサス州で、洪水により百人以上が亡くなった。ボランティアは、被災者に現金のように使える買い物カードを配付した。また、中国の北京・天津・河北省地域では、洪水により少なくとも六十人以上が亡くなり、地元の慈済ボランティアも緊急災害支援を展開した。

地球温暖化と異常気象は、私たちにますます身近になっているが、私たちにできることはまだあり、その一つが菜食に切り替えることである。国連食糧農業機関(FAO)の統計によれば、熱帯雨林の伐採、牧場の開墾、飼料用穀物の栽培、家畜の輸送、排泄物処理など畜産関連の排出量を合計すると、人間が肉を食べるために排出される温室効果ガスは、既に世界の総排出量の十四・五%に達している。

「世界の統計」プラットフォームが二〇二三年に発表した世界のベジタリアン人口統計によると、台湾のベジタリアン人口の割合は約十四%で、インドとメキシコに次いで世界第三位となっている。今月号の『慈済SDGsシリーズ』のレポートでは、慈済が長年にわたって菜食主義を推進してきた取り組みを報道している。環境面でも栄養面でも、菜食は地球に優しくて、心身に有益で、生命を害さない、美しいライフスタイルなのだ。

(慈済月刊七〇六期より)

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