懐かしい味に心が満たされる台湾グルメ、自家菜園で採れた果物と蜂蜜。
ウェブサイトを立ち上げ、これら我が家の宝物を提供しようと考えている。
慈済のコロナウイルス感染拡大防止の経費を募金するために様々なバザーが開かれた。
何でも売ることのできるバザーの出品物には、皆の思いやりと祝福の心が込められている。
アメリカでは昨年の三月から新型コロナウイルスの感染が急拡大した。一年半後の今年五月中旬からは、台湾も新型コロナウイルスの感染者が急増した。コロナ禍に直面していた台湾民衆の苦境に私たちも共感し、関心を寄せた。慈済アメリカ総支部は、台湾が今回のコロナ禍を乗り切るために、華僑たちが支援の手を差し伸べてくれることに期待して、ノースカリフォルニアのボランティアは、各種慈善バザーを開催し、手を取り合って台湾を守り、世界中の慈済人の心の故郷である台湾を守ろうと呼びかけた。
先ず、オークランド連絡所で、千個の菜食粽をバザーに出す計画を立てたが、三日間で四千個の注文が入り、その後も注文が続いている。ボランティアの蔡文成(ツァイ・ウェンツン)さんが発心して冷凍庫を買って連絡所に寄付したため、菜食粽の鮮度を保てる上、愛の心を護持することもできた。ボランティアの范俊賢(ファン・ツュンシエン)さんもまた、自分の新居のスペースを提供して、菜食粽調理用の集中調理場にした。
粽作りの初日、ボランティアたちは敬虔に合掌して「愛と思いやり」という慈済の歌を合唱し、和やかな雰囲気の中で衆生の健康と世界の平穏を祈った。粽作りの現場でも、一つ一つの粽に慈済人の祝福を込める意味で、念仏の声を流し続けた。
陳麗香(チェン・リーシャン)さんはクパチーノ市サニーベールのボランティアで、チームメンバーと相談した結果、コミュニティーにバザー促進チームを立ち上げ、料理の達人に呼びかけた。
ボランティア江佳陵(ジャン・ジャリン)さんの両親である、七十七歳の江世顕(ジャン・スーシェン)さんと七十三歳の荘鳳珠(ツォン・フォンツゥー)さんは、新北市新店区の慈誠(男性委員)と慈済委員で、ちょうどアメリカ在住の娘に会いに来て、菜食粽作りに参加することになった。伝統的な味でしかも歯答えのある野菜饅頭(マントウ)とカボチャ饅頭(マントウ)は、柔らかい外皮に弾力もあり、中の餡は台湾の懐かしい味がして、海外にいる旅人の味覚を満足させた。
とても料理が上手なボランティアの呉宝秀(ウー・バオシュウ)さんは、全く八十近い歳には見えないが、何度も慈済ノースカリフォルニア支部の厨房シェフを務めたことがある。彼女が作った伝統的な味の大渓豆乾(干し豆腐)は広く知られている。今回もファンの期待に応えて百人分を用意してバザーに出したが、すぐに売れ切れてしまい、追加オーダーがどんどん入り、最後には百六十二人分も作った。
呉さんは謙遜して言った。その調理の腕前は台湾で弟子入りして、師匠から教わったのだそうだ。調理する過程は簡単だが、煮込む二時間、ずっと軽くひっきりなしにかき混ぜなくてはならない。まるで慈済ボランティアが心を込めて忍耐強く長期ケア対象者に寄り添うように、買った人に香ばしい大豆とシナモンや八角の香りを味わってもらった。バザー開催中、呉さんは白内障の手術を受けたが、少し休んでまた豆乾を作り続けた。菩薩は大きく発心し、その願力は強力だ。
ノースカリフォルニア支部「幸福キャンパス」のボランティアは長年、低所得の移民世帯が集まっている、イーストパロアルト(E. Palo Alto)コミュニティーで、弱者世帯の子どもの就学を支え、「フードバンク」の配付を支援している。この活動に参加して十数年一日の如くのボランティア楊韻璇(ヤン・ユンシュェン)さんは、電機エンジニアだが、西洋料理も得意という文武両道者である。彼女はエンジニアとしての特性を活かして、普通とは異なった配合で、ノンオイルで低糖質のオレンジ風味アーモンドクッキーを試作し、何人ものボランティアに試食してもらった。健康的でサクサクしたオレンジ風味のクッキーはバザーでも好評だった。
8月下旬からスタートした各種バザーは、10月に入って更にスパートが掛かった。ノースカリフォルニア支部のボランティアが、自ら作った様々な菜食デザートを出して、台湾のコロナ禍を支援する、「愛の心を募る」バザー活動を円満に終えた。 (撮影・朱文廣)
手作り石鹸の達人であるボランティアの陳瑪妮(チェン・マーニー)さんは、慈済ノースカリフォルニア支部の社会教育推進センターで初めて石鹸作りを学んだ。その後、各国の石鹸作りの達人と互いに切磋琢磨して腕前を上げた。今回、作成した手作り石鹸は、最高級オイルを選んで使い、三週間の冷却定型を経ており、華やかな色彩ではないが、真心こめて作成した。注文した人がそれを手にした時、玉のようにやさしい潤いを感じてもらえることを願った。
麗香さんと汪清炘(ワン・チンシン)さんは、庭に植えているパッションフルーツをバザーに出した。ボランティアの李佳錦(リー・ジァジン)さんは、庭の木の下に巣箱を置いて、毎日ミツバチの群れが飛んで来て出入りし、忙しく働く様子を見ている。「和善の蜜」が彼女の生産したハチミツの名称で、純粋で透き通っていて、清らかな花の香りがする。彼女と夫は純粋に優しい気持ちで、微力ながら力を尽くしている。その心はまるで蜂蜜のように、純粋で濃く澄みきっている。
ボランティアの周莎姫(ツォウ・サーチー)さんは料理が上手で、慈済社会人大学の菜食料理教室の講師をしたこともある。日頃は仕事で忙しいが、今回はチャンスを逃さず、バザーに参加し、自分の得意料理の一つである韓国風春雨を出した。健康的で低脂肪に加え、味も香りも見た目も良く、發売当日は秒殺的に売り切れた。
ボランティアの方宝珠(フォン・バオツゥー)さんは、デザートを作るのが好きだ。今回も腕のだるさを気にすることもなく、抹茶あずきのロールケーキを作った。有機食材以外は使わず、家族に食べてもらうように丁寧に作った。作るのが楽しいだけでなく、受け取った人も喜んで欲しい、と彼女が語った。
長年、サニーベール市のコミュニティーで路上生活者に朝食を配付する活動に参加してきた白斌(バイ・ピン)さんは、日頃から木工に興味があり、いつもケア世帯の家具の修繕を手伝っている。今回は自分が手作りした四個のタブレットスタンドをバザーに出したところ、瞬く間に売り切れた。
サンフランシスコ市は多様な文化が入り混じった都市で、ボランティアも異なった国から来ているため、バザーに出した食べ物も異国風味に満ちていた。慈済サンフランシスコ支部は十月に「国際美食菜食週」バザー活動を展開し、四週間、毎週異なるテーマの美食を提供した。台湾、ミャンマー、香港とベトナム料理である。
その他、ネットバザーを通して、紙細工、木彫り羅漢、玉石ペンダント、珍しい石、磁器、竹の水墨画掛け軸など全てが自家秘蔵の宝物を提供している。コミュニティーボランティアの愛と人情を以て勇敢に責務を担う人もいれば、心から護持する気持ちで買う人もいた。
ノースカリフォルニアのベイエリアにある、フリーモント市、サンノゼ市、ウェストサンノゼ市でも、それぞれ評判のあるものやボランティアが得意としている菜食料理をバザーに出した。彼らは優れた腕前で奉仕するだけでなく、食材から作成、包装まで、愛、心、思いやり、感謝の気持ちという四つの心で、口にした食べ物に愛が宿り、善行を行うことを願いながら、慈善バザーを円満に終えることができた。
(慈済月刊六六〇期より)