問:一般の人も「静思堂」に入ることができますか?
答:静思堂は「慈済人」にとっては修行をする場所ですが、一般の人からすれば、静思堂は様々な役割があると思います。例えば、学習して成長する教育の場であり、心を落ち着かせることができる精神修養の場所でもあると思います。
静思堂ではいつも精進講座が開かれており、ボランティアが一歩踏み込んで災害支援や訪問ケアなどに関する知識を得ると共に訓練をしています。もし一般の人がもっと慈済について知り、コミュニティのボランティアになりたければ、「コミュニティ・ボランティア研修クラス」に参加することができます。また必要な時には臨時の避難所になり、食事や支援を提供し、被災者を安心させると共に、前線で頑張っている救助隊員を労っています。
開設されて二十八年になる「子供成長クラス」は、今でも各地にある静思堂で開かれており、子供がより良い品格と道徳心を身につけるよう、親を支援するものです。一般の人はそこで開かれている茶道、ヨガ、太極拳、料理、絵画や書道などの講座を通じて、人文教養を身につけて生活を豊かにすることもできます。
また、環境の変化に伴い、各地にある静思堂はそれぞれの条件に沿って、長期介護やデイケアセンターを開設しているところもあります。息子や娘が仕事に出かけている間、私のようなお年寄りが静思堂に来て、他の「仲間」と一緒に運動や手芸などを楽しむところです。そこから人との触れ合いを通して互いに関心を持つことで、よりリラックスできるようになります。板橋静思堂には、「シニア学校」があり、お年寄りたちがとても賑やかに授業を受けています。
空が明るくなると人が集まってくるリサイクルステーションから、夜間や週末に開かれる様々な講座まで、静思堂は、教育の推進、介護サービス、心のケアなど多元的な役割を融合した場所です。また政府の必要に応じた、防災教育やアート展示、または地域の活動にも、板橋静思堂は喜んで協力し、場所を提供しています。さらに忘れてはいけないのは、静思堂はコミニュティケアという重要な使命を担っているということです。慈済永続レポートでは、二〇一八年の板橋静思堂の様子が例に取り上げられました。コミュニティでの奉仕活動の効果を数字で表し、国際認定をもらっています。
一九九〇年代を思い返せば、当時板橋区には決まった集会場所がなく、人数が多いボランティア活動の時は、地域の学校を借りるしかありませんでした。また当時は、交通が不便で、北部を例に取れば、ボランティアは淡水、三峡、新荘更に板橋から当時の連絡所であった旧台北支部にまで出かけなくてはならず、とても時間を要しました。今は、板橋のボランティアは静思堂を活動拠点とし、コミニュティケアを着実に行っています。もし近隣地区で臨時の状況が発生した場合、ボランティアは直ぐに駆けつけることができます。そして、台湾全土にある静思堂も、それぞれの特徴を活かして発展しています。例えば高雄静思堂は、環境教育施設の認証を取得し、コミュニティに環境教育と学習をする重要な場所になっています。
人々は歳末祝福感謝会に参加するために、高雄静思堂を訪れていた。(撮影・鐘耀賢)
慈済に参加して三十年以上経ちますが、板橋慈済パークが、世界中の慈済静思堂と同じように、ボランティアがコミュニティケアを着実に行うことをサポートすると同時に、親しみやすい、良い影響を与えてくれる、学びの場になればと思っています。大衆が各地の静思堂を訪れることは大歓迎です。特に、静思堂は緑に囲まれ、板橋静思堂の場合は入り口に花壇があり、朝や夕方にはいつも近所の人が散歩したり、親が自転車に乗った子供を連れてきたりする光景を見かけます。
どのように「静思堂」を定義するか、また静思堂は一体どのような役割があるのか、皆さんが自分で訪れてみて体験すれば、一人ひとりが解釈する静思堂の使用方法が異なり、多様性のある答えが返ってくると思います。
(慈済月刊六五四期より)