私は中学生になりました。自分の外見が気に入りません。どうしたらいいでしょうか?
答:私は中学の時、色々な小説を読むのが好きでした。小説の中のヒーローは皆、流行の単行本を抱えて背が百八十センチのお金持ちだったり、武術に長けたハンサムな男性、ヒロインは皆、とても上品な義侠心を持った女性だったり、お金持ちのお嬢様でした。その頃の私にとって、これらの本の中の人物がアイドルでした。自分はというと、大根足に小さな目、おかっぱ頭です。内心悔しくて憂鬱なまま中学を卒業しました。
大学に受かった年、台北へ同級生のいとこと遊びに出かけました。彼女は、カールした長い髪に、薄化粧をして、標準語を話し、白にピンクがかった健康的な肌をしてハイヒールを履いていました。私はと言うと、浅黒い肌にフラットなサンダルを履き、ごく普通の服で、パッとしない大学生でした。いとことお喋りしても舌足らずで、極端にコンプレックスを感じたのを、あの夏休みで一番よく覚えています。
学期が始まってから、私は慈愛社に参加し、孤児院で子供たちの勉強に付き添ったり、刑務所を訪問して受刑者のボール遊びに付き添ったり、中重度養護ホームで病気の子供に付き添ったりしました。本の中のヒロインやいとこへのコンプレックスはもうそこにはなく、私は自信を取り戻していました。
人生では、自分に自信を持って初めて、人を惹きつける魅力のある人になることができるのです。外見は変わっていきますが、自信に満ちて落ち着いた気質は変わりません。自信とは何でしょう?それは、自己肯定であり、他人に影響されない、動揺しない心です。
どのようにして自信を持った自分を作るか? 以下の幾つかを参考にしてください。
教養のある人になる
「価値のある自分を育成すれば、人生の恩人を引き寄せる」、「詩書を読み、学を為すと、才能や品格が自ずと表に表れる」と言われます。
教養のある人が話をすると、自然と人を惹きつけ、魅力します。イギリスのコメディアン「Mr.ビーン」が代表的な例です。イギリスでオリンピックが開催された時、彼のロンドンオーケストラでのおどけた演出は、全世界の注目を集め、人気者になりました。トム・クルーズのようにハンサムではなくても、彼には教養があり、実力があります。従って、国際ステージに立つことができるのです。
では、どうすれば教養を身につけられるでしょうか。身心に有益な書籍を読み漁る、良い映画をたくさん見る、或いは、旅に出て徒歩で万里の道を行き、大地に、また行く先々で人文を学ぶことで教養を高めるのです。身心に関することは全て学ぶに値します。
ポジティブなエネルギーを放つ
人は誰でも、陽気で前向きの人といることを好みます。このような人は、チームメンバーに誘われ、皆、彼とお喋りするのを好み、一緒にいることでポジティブなエネルギーを感じます!
私はよくリハビリクリニックに行きますが、最近新しく二人の人が来ました。一人は良く笑い、前向きで陽気な人で、診察に来る他の患者さんと楽しく付き合っています。もう一人は、声が低くて眉をひそめ、よく人に誤りを指摘されます。誰も外見を気にしませんが、前向きで陽気な性格の人は、外見の良い人よりも好かれます。
生きていく力
「花が咲き誇れば自然と蝶が舞い、魅力ある人には天の導きがある」と言われるように、人は追い求めるのではなく、他の人を惹きつけるべきだと言うことです。
私たちは生きていく力が必要です。一つは自分の得意とするものです。得意な分野で生計を立てます。もう一つは、自分の趣味であり、生活をもっと多彩にします。
Mr.ビーンを演じるイギリスの俳優、ローワン・アトキンソンさんは、オックスフォード大学電機工学修士課程を卒業しましたが、演劇をこよなく愛していたので、芸能界に足を踏み入れました。彼こそが生きていく力を持つ人です。外見は特にハンサムではありませんが、才能がずば抜けており、イギリス女王も彼を重んじていました。
世界的に有名なモデルのキャメロン・ラセッルさんは、TEDの演説で「外見が全てではありません。信じてください、私はファッションモデルです」と言ったことがあります。長い時間という川の流れで、美貌はなくなり、体つきも老い衰えて行きます。それなら、私たちはどうすれば、自分の外見で人を惹きつけずとも人に好かれる、「Mr.ビーン」になれるのでしょうか。
変えなければいけないのは、自己を肯定せずに卑屈になり、諦めてしまう自分の心です。本当に人を惹きつける特質は外見ではなく、自分に対する態度なのです。
證厳法師も「卑屈は自分を殺してしまう敵です」と言っています。私たちは努力して自信を付けることで、自信が外見に打ち勝ち、これ以上外見にとらわれないようになるべきではないでしょうか。
(慈済月刊六七五期より)