世界に目を向ける

モロッコ
百年に一度の大地震
山間部の数万世帯を支援

文、写真提供・慈済基金会文史処 訳・荳荳

二〇二三年九月八日に北アフリカのモロッコを襲ったマグニチュード六・八の地震は、同国で記録された最大規模のもので、アトラス山脈の村々に甚大な被害をもたらし、三千人近くが亡くなった。 慈済はモロッコに拠点はないが、今も積極的に支援ルートを模索しており、現地の慈善団体であるジュード・アソシエーションに物資配付の支援を依頼し、二〇二四年初めまでに一万二千世帯を支援する予定である。また、移動式シャワートラック二台も寄贈する。

被災地では、土砂崩れ、家屋の倒壊、道路の寸断、山間部の厳しい寒さなどにより、多くの住民がテント住まいを続ける中、生活は厳しい状況にある。十一月八日以降、各村で続々と配付が行われ、慈済が提供した米、麺類、ひよこ豆などの主食や食用油などが入った食糧セットは八十七キログラムに達し、男性が二人がかりで運んでいたが、これは五人以上の家族が三カ月間必要とする量であり、この他に衛生用品や毛布なども配付された。十二月初めまでの統計によると、三千世帯を超える二万人余りにいきわたった。

(慈済月刊六八六期より)

メキシコ
甚大なハリケーン被害
買い物カードで緊急援助

資料提供・アメリカ総支部  訳・荳荳

メキシコ南部の有名な観光都市アカプルコは、二〇二三年十月下旬に最も強いカテゴリー5のハリケーン「オーティス」によって大打撃を受けた。 十一月、慈済ボランティアは地元のカトリック教会と協力し、被害が最も大きかった二つの交通不便な貧困地域に分け入って、炊き出しを行い、現地調査をして配付リストを作成した。今年一月前半には、 五つの国と地域のボランティアが協力して三日間の配付を行い、三千八百世帯余りに、提携した店舗で必要なものが購入できる買い物カードを贈呈した。

ハリケーン発生から二カ月以上が経過したにもかかわらず、被災世帯の多くは、いまだに防水シートに覆われた、壊れた粗末な家で暮らしている。また、 配付リストに載っていない人たちが次々と助けを求めに訪れたので、困っている人を見逃すまいと、ボランティアたちは直ちに彼らの住む山間部へ向かい、百世帯に復旧の希望を与えた。

モザンビーク
移住の喜び 生活が一変

文、撮影・陳奕青(文史処職員)
訳・荳荳

田舎では至る所、藁葺きと泥レンガの家で、二〇一九年のサイクロン・イダイには全く歯が立たなかった。被災後、慈済はソファラ州に学校と四つの大愛村を支援建設し、二〇二三年十一月下旬に三回目となる九軒の家の引き渡しが行われた。また、環境衛生に役立つ自然浸透圧を利用した浄化槽付きの安全なトイレを一六九個新設した。

マットレスを頭に乗せ、バケツを手に持った長い列が田畑の中を進んで(左の写真)、メトゥシラにある大愛村にあるコンクリートブロック造りの新居に到着した。ボランティアが福慧ベッドを設置するのを待って、入居者のアヴェリーナと子供たちは、嬉しそうにベッドに横たわってみた。もう地面に寝なくても良いのだ。(前ページの写真)

(慈済月刊六八七期より)

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