中学生の外出日記

問:

中学生は、大人の付き添い無しで、グループで外出してもいいでしょうか。

答:この質問を聞くと、私の中学生時代を思い出します。

休日になると、仲の良い男女同級生数人を誘って「手作り土窯焼き」に行っていました。サツマイモや落花生など、畑の持ち主が不要となった作物を主食にしたり、中秋節には、同級生数人と街に出て爆竹を鳴らし、空いっぱいに色鮮やかな花火を打ち上げたりしました。こんな楽しいお出かけの思い出は、今でも忘れられません。

当時、同級生の親たちは、子どもたちが誰とどこへ行き、何をしに行くのかが分かっていたので、とても安心して子どもたちを外出させることができました。

どの世代にも直面する課題はありますが、一緒に出かける同級生は誰なのか、行き先はどこなのか、こうした疑問は起こるものです。

同行者を確認する

中学生の保護者は、子どもが友達と一緒に出かける場合、心配になるものです。誰と一緒に行くのか、行き先は安全か、交通手段はどうするのか、これら全ては出かける前に確認することができます。確認したならば、保護者や養育者は安心して行かせるべきです。

私の親友Lの息子さんは、現在技術エンジニア兼廟の修復師です。それは彼が中学生の頃、或る廟の修復師が技術を若者に伝授したいと思い、村の中学生を招いて寺院を訪れ、解説したことがきっかけでした。暫くすると、その中学生たちは誘い合って台湾中の寺を巡って、各地の有名な廟修復師と知り合い、やがて簡単な修復作業に参加するようになりました。Lの息子さんは今では廟修復師の免許を持っています。

「最初は、子どもたちに勉強ばかりでなく、外の世界を見れば学校生活の憂鬱も晴れるだろうと考えただけでしたが、そのことがきっかけで、子どもたちが幅広い人生を歩むことになるとは思ってもいませんでした」とLは語ってくれました。

安全に注意することを学んだ

今、台湾の教育現場では、子どもの睡眠時間を確保するためや、通学途中の安全を考慮して、子供に自転車や一人徒歩で通学させない親や保護者が多く、小学校六年間と中学高校六年間を通して送り迎えするという状況になっています。十八歳になって大学に進学するとバイクを購入してあげるのですが、自転車にも乗ったことがない我が子が交通事故を起こさないかということは、考えないのです。

ネット上でこんな話を見かけました。「実務経験の伴わない知識は、鶏を操る能力のない書生のようなもので、多くのことを知っていても、実際に実践した経験がないのです。紙上の空論で偉そうなことを言っても、実行する能力がなければ、長平の戦いで四十万の趙軍が最終的に秦に負けたようなことになるのです」。

親や保護者は、徐々に子どもの手を離し、小学校から徒歩通学させ、中学では自転車やバスでの通学をさせてみるべきです。日常生活でライフスキルを学べば、グループで外出する時、自分の安全にも一層注意を払うようになります。

未知への探求を奨励する

親や保護者が、出かける相手と行き先を確かめたいのであれば、目的地に着いたらケータイをカメラモードにしてもらって、一緒にいる人全員にカメラを通して挨拶したらいいでしょう。または、旅先の目印を映してもらえば、社会事件になるのを防ぐことができます。

年若い子供は未知のものに対して好奇心が旺盛なので、子どもが友達と出かけたいと言った時は、新しいことに挑戦する好奇心を失わせないためにも、反対しないようにしましょう。

Lのお子さんがそうであったように、お子さんに自分の得意分野を発見させ、それを特技に育て、経験から学ぶ姿勢と健全な成長マインドを持たせれば、必ずや将来の世界は広がっていくはずです。それは、仲間と出かけることから始まるのです。

(慈済月刊六九一期より)

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