ペットボトルから作られた毛布—届けた数は百三十万枚以上

エコ毛布は、47の国と地域を支援してきた。ポーランドでは、戦火を逃れてきたウクライナの人々の体と心を温めた。(撮影・安培淂)

慈済のエコ毛布は、十九年間で世界中に出荷され、その数は百三十九万枚以上に上る。毛布の一本一本の繊維は、リサイクルボランティアが回収して分別したペットボトルから、研究開発チームが作り上げたものである。単に一枚の毛布であるだけでなく、愛と善意が織り込まれているのだ。

【慈済の活動XSDGs】シリーズ

観客席に座っていた母親たちは目を見張り、この暖かい毛布が、ペットボトルから作られたとは信じられなかったそうです。それだけでなく、慈済人が地球環境を護り、子供たちに美しい環境を残すために努力していることにも感動していました」。慈済ボランティアの陳淑女(チェン・スウーニュ)さんが、ポーランドでのウクライナ難民に対する配付会場で見た光景を思い出して言った。

二○二二年二月にロシア・ウクライナ戦争勃発して以来、慈済はその一年間に、祖国から逃れた八万人以上のウクライナ難民に対し、三万八千枚余りの買い物カード、そして、四万枚余りのエコ毛布を届け、異国で寒い冬を暖かく過ごせるようにと支援した。

十六年前の台風八号(モーラコット)から、このロシア・ウクライナ戦争、アメリカの山火事に至るまで、ボランティアは、住む家をなくした被災者や難民にエコ毛布を配る時、必ずその毛布の由来を説明することを忘れないようにすることで、それを受け取る人々に、その温かい織物には、慈済ボランティアの地球に対する愛と、苦難にある人々への思いやりが込められていることを伝えてきた。

二○二三年二月六日、トルコとシリアの国境地帯でマグニチュード七・八の強い地震が発生した。慈済は内湖志業パークから八千枚余りの「厚手のエコ毛布」を調達し、トルコへ空輸した。「毛布だったら、トルコでも買えますが、その意義は違ってきます。これらのエコ毛布は、台湾のリサイクルボランティアが、地球を愛護する気持ちを心に抱いて一つ一つ回収したペットボトルから作られています。これらの毛布を必要としている人々に、この温かさを感じてもらいたいのです」。トルコの慈済ボランテイア、胡光中(フー・グワォンヅォン)さんが懇切丁寧に説明した。

二○○六年から本格的に量産を始めて以来、エコ毛布は、国内外で災害時の緊急援助を行う時に、合わせて百三十九万枚以上が出荷されている。台湾の「環境保全菩薩(リサイクルボランティア)」が回収して分別したペットボトルを、低炭素・低消費・低汚染の製造プロセスを経て製品にしたのがこの毛布であり、世界各地の支援で活躍している。循環型経済において、再利用とリサイクルという段階を具体的に実践しているだけでなく、一見変哲もない毛布が媒体となって、愛と善意を伝えているのだ。

(慈済月刊七〇四期より)

花蓮の0206地震では、静思精舍の師父と慈済ボランティアたちが、倒壊したホテルで被災した人々に、温かい食事とエコ毛布を速やかに届け、飢えと寒さを和らげた。(撮影・邱継清)

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