三度の食事が変わった お母さん、そこまでしなくても

問:

母が、これから家では菜食しか作らないと宣言しました。 なぜ私たちの食事の自由を干渉するのでしょうか。

答:もし、私がこの家庭の子で、肉を食べるのが好きなら、私も間違いなく嘆いたでしょう。「お母さん、そこまでしなくても」と。

子どもの食習慣は、調理する人と深く関わっている。調理する人が肉を好むならば、子どもも自然と肉が好きになる。毎食、野菜をメインにすれば、子どもも同じように野菜を多く食べるようになる。子どもの食習慣は、親が形成したものである。習慣になってしまってから改めるのはかなり時間がかかる。従って、母親が菜食を推し進める前、子どもたちと話し合うべきである。さもないと、逆効果になってしまう。

菜食が良いというデータを集める

若者はデータを信じる傾向があるので、それを子どもとシェアすることができる。医学研究によると、新型コロナウイルスに感染した場合、菜食者は重症化するリスクを最大で七十三%まで減らすことができる。肉を食べないことは、自分自身を守るだけでなく、地球を救うこともできるのだ。

一般的な食品で、肉食の炭素排出量は菜食のそれよりもはるかに高い。たとえば、牛肉一キログラムあたりの炭素排出量は二十七キログラムで、豆腐の十倍である。そして、牧畜業が必要とする牧場や飼料は地球の肺と言われる雨林を食い尽くし、地球の温暖化を加速させる。二〇一九年の国連「気候変動に関する政府間パネル」の報告によると、もし、人類が肉食から野菜に基づいたバランスの良い食事に切り替えることができれば、気候変動を抑えるのに大いに役立つ、と言っている。客観的なデータは親からだけではなく、子供も自分で収集することができる。

菜食の調理法を学ぶ

昔は菜食と言えば、豆腐の発酵食品、ピクルス、生麩の煮物、干した筍、などシンプルなものだけを食べていた。今では菜食と共に健康を大切にするため、多くの人が美味しいレシピを開発するようになった。調理する人が積極的にオンラインで作り方や種類を学ぶ必要があり、おいしい菜食料理を作って、子どもの胃袋を掴めば、反対の声も自然と減っていく。

次に、一〜二カ月間、子どもを連れてベジタリアンレストランに行くこともおすすめだ。さまざまな美味しい料理を食べさせることで、子どももベジタリアンに対する考えを変えていくだろう!

ステップバイステップ

こどもは段階を踏んで離乳するものである。これは大人が肉食から菜食に変える場合にも当てはまる。週一食の菜食から始めて、次に週一日にする。ゆっくりと菜食の日を増やしていくといい。また、子どもが完全にベジタリアンの食事に慣れた時、それは習慣となる。

ある知恵のあるお母さんが、子どもを肉食から菜食に変えた方法が素晴らしかった。彼女は子どもたちのために「五目麺」をよく作るのだが、五目麺に様々な季節の野菜を入れるので、栄養が高く、見た目もカラフルでおいしい。今日は五目麺と聞くと、子どもたちはいつも大喜びだ。時には麺を米に変えて「五目粥」にすることもある。子どもは自然に菜食料理を受け入れている。

他の生活習慣と同じように、食習慣の確立にも時間がかかる。無理強いせず、方法を見つければ、子どもは菜食のメリットを理解してくれる。プレッシャーがなく、進んで食べるようになれば、自然とベジタリアンの食習慣を受け入れてくれるだろう。

近年、宗教的な理由ではなく、動物の権利を守るために菜食する人が増えてきた。彼らは「ビーガン」になることが自然環境と動物を保護することに通じると信じ、動物の成分を含む食品を食べたり使用したりしない。

動機はどうであれ、菜食は、最終的には地球の資源を保護し、温室効果ガスの排出を減らす。ベジタリアンという風潮に乗ることができれば、環境保護を行動に起こしたことになる。素晴らしい!

(慈済月刊六五九期より)

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