懐古しながら、新しいことも歓迎する

問:

新学期に新しいクラスと先生に変わってから、子供は帰宅後、以前はしてもよかったことが今はしてはいけなくなったと言いました。子供が適応できるよう助けるには、どうしたら良いでしょうか?

答:台湾の小学校の制度は、二年に一度、担任とクラスが変わります。中学校の場合は、担任はほとんど変わらず、一年生から三年生まで受け持ちますが、クラスの状況に応じて調整が行われることもあります。高校では、二年生の時にクラス替えがあり、新しいクラスメートと先生に慣れる必要があります。親は、子供たちが新しい先生のスタイルに適応していく中で、どのように応援すればよいのでしょう?

人と比較しない心構えを持つ

以前を懐かしむのは人の常であり、親にとっても二年間親しんだ先生やクラスの保護者たちと付き合って来て、彼らから離れるのは難しいものです。

誰にも長所と短所があり、先生も同じです。今までの先生と新しい先生を比較しないように、保護者は自分に言い聞かせましょう。「世の中には二種類の『較べること』をしてはいけません。それは『損得勘定』と『比較』です。これらは自分の心構えを調整する最高の良薬なのです」と證厳法師は言ったことがあります。

大人の反応は、子供の新しい教師に対する見方に影響を与えるだけでなく、子供が新しいクラスに適応していくまでの時間にも影響します。新しい教師への信頼を築き、新しいクラスメートに心を開くよう手助けして、子供を毎日楽しく学校に行かせることが、子供の成長に寄り添う最善の方法なのです。

子供の適応力を高める

子供から新しい先生を受け入れられないと聞いたならば、親は先ず、子供の新しい学年の雰囲気を喜んであげることです。次に一緒に冷静になって新しい先生の特長を分析する必要があるでしょう。「新しい先生は活気に満ちていて、話しやすい人だと思わない?先生はあなたたちに様々な見方や知識、視野と新しいアイデアを持って来たわ。だから、お母さんは新しい先生が大好き。一緒に新しい先生を好きになりましょうね」。時々、そのような単純な会話をすることで、子供は新しい先生と信頼関係を築くようになります。

子供たちは徐々に成長し、異なった学習や生活に適応しなければなりません。大きくなると、それ以上に様々な人と出会うようになります。子供を小さい頃から、色々な人と多く接触させることで、社会に適応する能力を高めることができます。ですから、新しい教師を全面的に受け入れることで、子供の適応能力を強化できるのです。

惜しまず新しい先生を称賛する

先生にはそれぞれ異なる教育スキルだけでなく、専門知識もあります。

私が最初にクラスを引き継いだ時も、生徒たちは気分が乗らず、授業に集中していませんでした。朝の自習は騒がしく、静かに本を読んでいる生徒はいませんでした。机と椅子は整頓されてなく、床は汚れていました。私の心は半分冷めてしまい、学校で学んだクラス管理を実行する方法が分からなくなってしまいました。

そこで、翌日は七時に教室に入り、教壇前に座って静かに本を読みました。生徒たちは、先生が本を読んでいるのを見ると、素直に本を取り出しました。掃除の時間には、私も箒を取り、生徒たちと一緒に掃除をし、毎日、心を動かす話をしました。教室には「心の花園」という掲示板を掲げ、生徒たちに新聞の切り抜きや感想文を投稿してもらうようにしました。間もなくクラスの秩序と清潔さが軌道に乗り、その過程で、生徒たちの両親からも多くの賞賛を得ました。両親の好反響により、生徒たちは先生へ信頼を寄せるようになり、私もクラスを管理するより大きな忍耐力と勇気と元気をもらったのです。

教師ごとにクラスの管理方法やルールが違うかもしれませんが、教師は生徒の反応を見て、いつでも教育方法やクラスの管理モデルを調整するはずだ、と私は信じています。当初、私が親御さんたちから信頼とサポートを受けた時のように、先生を信頼し、サポートしてあげてください。
親御さんたちはお子さんへの心配を期待に変えてやってください。両親が新しい担任を喜んで受け入れれば、お子さんも心から認めるようになります。様々な教師に適応することを学ぶよう、子供たちを励ますことは、お互いをプラスの方向へ導きます。批判を減らして多く賞賛すれば、保護者と教師と生徒の関係を壊すことはなく、子供の成長に役立つでしょう。

新学期という新しい雰囲気の中では、親が教師を信頼すると同時に、子供が必ずや早く適応できると信じてこそ、親と教師と生徒の間に、堅い親密関係を築くことができるのです。

(慈済月刊六六七期より)

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