918池上震災─修復作業は プロにお任せ!

ボランティアは10月6日に花蓮玉里民国路にある民家の修繕を開始した。室内の床は震災によって大きな亀裂が入っており、まずは盛り上がったタイルを剥がしてから、コンクリートで平らに補修し、新たなタイルを張ることにした。(撮影・林家如)

床に亀裂が入り、壁にはひび、塀は倒れ、壁のタイルは剥がれ落ち、天井板も破損、シャッターは押しつぶされて閉まらず、水道管も破裂……池上の強い地震を受け、花蓮と台東の数百軒の民家が大小様々な被害に遭った。人手と復旧資材が不足する中、ようやく十月から台湾全土の職人ボランティアが集まり、毎日百人以上が交代で復旧作業にあたった。

花東被災地
慈済による支援の重点

医療資源の動員

◎玉里慈済病院は、地震後直ちに大量負傷者受け入れ態勢をとり、計35名の負傷者を治療した。

◎花蓮慈済病院救急医療チームは直ちに被災地に向かった。花蓮慈済病院は他から転院して来た計13名の負傷者を治療した。

◎9月17日と18日、台東で連日マグニチュード6以上の強い地震が発生。震源地はそれぞれ関山と池上で、災害発生時刻が夜間かつ日曜日であったことから、近隣住民に唯一医療を提供できる関山慈済病院に多くの負傷者が運び込まれ、2日間で計36名の地震による負傷者が治療を受けた。

◎ボランティアが病院内で見舞い、慰問金を届けた。

物資の配付

◎一部の地域で断水や通行止めが起きたため、ボランティアは、飲用水や食糧を台東海端郷新武部落ならびに花蓮富里郷東里部落に届けた。

◎玉里鎮役場を支援し、中正堂に臨時の避難所を設置。赤科山で下山できなくなっていた観光客を受け入れ、食事や飲み物を提供した。

◎東里駅で列車が脱線したとの知らせが鉄路局から届いた。500名以上の乗客が富里駅で足止めされたため、ボランティアは早急に物資と飲用水を届けた。

(台東 撮影・陳誼謙)

家庭訪問

◎9月19日に玉里鎮、富里郷の被災者を訪問。その多くが一人暮らしや実質一人暮らしの高齢者である。

◎9月25日、245人のボランティアが23ルートに分かれて、玉里鎮村里長たちの案内のもと、花蓮県政府がまとめた被災者リストに則って、475戸を訪問し、物資と見舞金を届けた。

◎台東県では300戸あまりの民家が被害を受け、10月2日花蓮、台東のボランティアが31ルートに分かれて計140戸を訪問した。今後の修繕作業に備え、家屋の損壊状況を評価・記録した。そのうち43戸に急難見舞金を届け、そのうち9戸は継続支援が必要と判断した。

民家の修繕

◎花蓮県政府の統計によると、県内で損壊被害にあった民家は660戸で、うち222戸の修繕が慈済に依頼された。9月29日台湾全国から第一陣の修繕専門ボランティアが到着し、現場視察を行った。10月1日に修繕作業を開始し、10月上旬に玉里鎮と卓渓郷で、損壊の程度が軽い民家の修繕を集中して行った。10月8日には富里郷で、中程度の損壊と評価された民家を視察した。10月18日には震災発生から一カ月を迎え、慈済の竣工数は百戸近くに上った。また、このほか73戸は住民自らが修繕作業にあたった。

◎慈済台東連携センターが10月5日に設立され、災害復旧に取り組んだ。県政府が提出した慈済に修繕協力を求めた62戸は、池上郷、長濱郷、海端郷、延平郷、鹿野郷、太麻里郷、卑南郷、成功鎮などに分散していた。ボランティアは10月10日に修繕資材の検討を行い、資材調達、施工を行った。軽度ならびに中程度の被災家屋計25戸は、10月17日に全て竣工した。

(富里中学校 撮影・鄭啓聡)

校舎の復元

◎9月20日、100名あまりのボランティアが、被害を受けた富里郷呉江小学校と萬寧小学校で清掃作業を行い、校内を復元した。

◎花蓮県内の50校が被害を報告しており、うち15校は構造の安全チェックを行う必要があった。9月25日、慈済慈善事業基金会の顔博文執行長が建築専門家たちを伴って、花蓮県南区の学校の被害状況を視察した。富北中学校、富里中学校、富里小学校の3校について、建設または修繕を支援することになり、10月中旬には富里中学校と富里小学校での作業を開始した。

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