世界に目を向ける 

台湾
雲林の古い家を修繕した

文・呉婕盈(雲林慈済ボランティア) 
撮影・蔡宜達(雲林慈済ボランティア)

「毎日ビクビクしていました。寝ている間に屋根が突然落ちてくるのではないかと心配で……」。劉さんは話しながら目がみるみる赤くなった。彼女は日雇いと資源の回収、そして子供の障害者手当で生計を立てているため、築半世紀以上の家を修繕する余裕はなかった。屋根の梁はシ口アリに酷く侵食され、崩れている所も多く、雨の日は雨漏りがひどかった。

居住の安全を確保するため、雲林県北港鎮の慈済ボランティアと慈済建築処は二〇二二年十一月中旬、劉さんの家の木造屋根を修理し、梁と屋根瓦を新しくする工事を一日で完了させた。慈済は長年その家族に寄り添ってきたが、今回は二度目の修繕で、劉さんは感動で涙を流した。今夜はやっと安心して眠れると言った。

台湾
台東で寝たきり患者に歯のスケーリング

文・王瀅琇、游采潔(慈済ボランティア) 
撮影・王忠義(高雄慈済ボランティア)

二〇二二年十一月十九日と二十日の二日間、台湾北部、中部、南部、東部の慈済人医会の歯科医たちが台東に集まり、創世基金会台東分院と台東仁愛の家及び「馬蘭の家」附設「慎修養護ホーム」などで施療を行い、寝たきりの患者や心身障害者三百人余りに奉仕した。

 今回の歯科による施療は、元々、年に二回定期的に行っていたが、コロナ禍で中断し、二年ぶりにやっと再開したのだった。寝たきり患者は、歯の治療を受けたくても外出できないので、ボランティアは、介護施設にスケーリングの設備を整えた。「スケーリングしますので、楽にしてください」。医師が口の病の治療に専念し、看護師は患者の血中酸素濃度と脈拍を測り、異常値が見つかると、直ちに医者に治療の一時中止を告げ、患者の手を撫でて落ち着かせた。

インドネシア
多方面から西ジャワ震災を支援

資料提供・慈済インドネシア支部 
撮影・ムハンマド・ダヤー

二〇二二年十一月二十一日午後、西ジャワ省チアンジュル県でマグニチュ―ド五・六の強い地震が発生し、近隣のバンドンやボゴ―ル、ひいては百キロあまり離れたジャカル夕でも揺れが感じられた。三百人余りが死亡し、損壊した建物は六万棟余りで、十万八千人が避難した。慈済は施療と炊き出し、そして支援物資の配付など、多方面から同時に緊急支援を行った。

地震の翌日、バンドンの慈済ボランティアは急きょ避難所に赴き、生活必需品を寄贈した(写真左)。慈済人医会は国防部医療チ―ムと協力して、チアンジュル市ペラワタサリ・スクエアで負傷者を治療した。余震はまだ続いており、住民は避難所のテントで寝泊まりし、家に帰ることを恐れた。ボランティアは、一世帯あたり五キロの白米と医療用マスクを配付し、さらに被災した三カ所の村で千食に近い炊き出しを行った。

(慈済月刊六七四期より)

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