機知に富んだ部活動

問:

中学に進学したら、部活動に参加しなければなりませんが、自分の興味を考えるのか、将来のことを考えるのか、どう選んだら良いのでしょうか?

答:凱(仮名)さんは、高校時代にストリート(ヒップホップ)ダンスに夢中になりました。週四日間、夜にインターネットの動画を見ながらダンスの基本動作を学び、暫くして学校のダンスクラブに入ってからは頭角を現し、クラブの部長になりました。

凱さんの両親は、学業への影響を心配して、凱さんがダンスを続けることに強く反対しました。凱さんは、毎回テストの成績表を両親に見せたことで、安心して同意するようになりました。今は大学生になりましたが、週に半日、母校に戻って後輩たちにダンスを教え、そして、各地のコンテストに連れて行っています。

凱さんは、自分の趣味に合わせて部活動を選び、自分の特性を最大限に引き出しました。しかし、すべての高校生が彼のように幸運かどうかはわかりません。

台湾の教育部(日本の文科省に相当)が、中学校で部活動を奨励している目的は、生徒たちが人間関係を育むことを助け、技能を学んで健全な趣味を磨き、社会に出るための基礎を築くことにあります。ですから、部活動は中学生にとって不可欠なものであり、この段階の学習は、自分の興味を主体にしていますが、要は多様な特性を伸ばすことにあるのだと思います。

部活動は社会の縮図

アメリカの作家デル・カーネギーは、「事業の成功において、本人の専門スキルに依存するのはたった十五%だけで、他の八十五%は人間関係と処世法にかかっている」と言いました。

私は中学校の時に、ボーイスカウト部に参加し、素早いテントの設営方法や、薪を使ってご飯を炊く時に焦がさない方法を学びました。また、どのように食材を組み合せれば、よだれが出るほど美味しい料理になるか、チームを率いてコンテストに参加し、第三位になりました。ボーイスカウト部に参加してからは、料理が好きになり、団体の中で人と接することを学び、リーダーシップも培われました。これほど多くのことを学べるとは思っていませんでした。

ある中学校に慈愛社というクラブがあり、メンバーは奉仕活動を通じて、自分のことだけを気遣うのではなく、社会に関心を寄せることを学んでいます。

社会学者のデュルケームは、「教育の目的は、個人を社会の一員にすることにある」と言いました。学校は社会の縮図であり、学生が部活動で計画を立てたり、社会に対する基本的な認識を育んだりすることは重要な一環です。現代は少子化により、子供は皆、親に大切にされています。それが長期的に自己中心的になり、他人を思いやる余裕がなくなります。私の教職経験から述べると、各学校が慈愛社を設立すれば、生徒たちはその中から他者のニーズを理解し、社会へ、更に世界全体へと広がるでしょう。

共通の志と趣味を持つ、
気が合う仲間

生徒が自分の好きなことをする時は、健康で、楽しくなります。

文化系部活動は、特定の学問分野や能力の習得において、教科書で教えないような知識を学び、見聞を広め、更には自主的に考える、研究精神を育みます。

スポーツ関係の部活動は、健康な体を作り、積極的で向上心のある生活態度を養います。音楽関係の部活動は、学生の気質を養い、学業のストレスを和らげます。そして、手工芸方面の部活動は、学科以外の趣味を育み、貴重な経験が得ることができます。

以前ギタークラブで、ギターを抱えて弾き語りをしたことを覚えています。愁いを感じた時は『秋蟬』を歌い、木棉の花が咲き乱れる頃には『木棉道』を歌いました。そのギターは、苦しかった高校生活に寄り添ってくれ、心身ともに楽しく大学に進学することができました。今はもうギターは弾かなくなりましたが、魅力的で美しいフォークソングは、今でも私の心を表現する一番のお気に入りです。

自分の趣味に合わせて部活を選ぶことで、クラブのメンバーと共通の話題ができ易く、チームワークと信頼感を育むことができると共に、人生に美しい光景が生まれ、より良い自分に成れるのです。

(慈済月刊七〇四期より)

    キーワード :