「最近、私は帽子を五枚編んで、千五百ルピーの工賃をもらったので、滞納していた学費をすぐに支払いました」。ネパール・ルンビニ第四里メノーラ村のサンギータさんは、慈済の職業訓練講座に参加して、毛系の帽子を編むようになった。彼女は地主から田んぼを借りて耕作しているが、ご主人は臨時雇いなので收入が不安定である。一家八人が最も困難な時は、ご飯に塩を掛けて食べるしかなかった。しかし、子供には同じような人生を送らせたくないと思い、彼女は子供に教育を受けさせることを堅持した。「私にこのような機会を与えて下さって感謝しています。自分の手でお金を稼ぐことができるのですから」。
慈済は村の女性たちに呼びかけて、毛系の帽子を編んでもらっている。慈済が毛系と教師を提供し、検品に合格した完成品には、一枚三百ルピー (約三百四十円)の工賃を支払っている。これは首都カトマンズでの三十ルピーよりもかなり高額だ。彼女たちに收入ができただけでなく、ケア世帶や支援建設している学校の生徒及び西部地震の被災者世帯に、防寒用として送ることもできた。第四里コンペ村とメノーラ村以外に、慈済連絡所でも、女性たちが每日、毛系の帽子を編んでいる。二○二三年十月から今年一月初めまでに、既に千枚余りの帽子が編み上がり、配付物資として提供されている。
このようなアイデアが生まれてから、女性たちは編み針と糸を手放したことが無い。村に入ると、至る所で集まっては座って編む人、しゃがんで編む人、立ったままで編む人もいて、皆が沒頭していた。工賃を受け取る時は、名前が呼ばれると、サインか拇印を押しに行く。そして、ニコニコしながらお札を数えていた。時にはその中から小額の紙幣を取り出して、人助けのためにと竹筒貯金箱に入れる人もいた。
ウルミラさんは、ガソリンと肥料を買うために、工賃をご主人に渡した。ガソリンは地下水を汲み上げる灌漑用のポンプに使い、肥料は麦の苗の成長を助けるのに使う。「私たちはやっと、以前のように、自分はとにかく貧しいのだからと絶えず人に施しを求めるようなことは、しなくてもよくなりました」。
(慈済月刊六八七期より)
- コミュニティに裁縫教室を開設:エコバッグと制服の製作。
- 職業訓練コースの開設:縫製教室、編み物教室、手作り石鹸教室。
- 「仕事を与えて支援に代える」活動:民衆を雇って、住宅建設支援に協力してもらうと同時に、建築に関するスキルを学んでもらう。